○髙橋かずみ委員
最初に、市街地の緑地保全についてお尋ねさせていただきます。
東京の市街地においても、個人の庭先にまちのシンボルともいえるような貴重な大きな樹木があったり、住宅や畑の間に一団の樹林が残されていることがあります。これらの樹木や樹林は区市町村により保存樹木、保存樹林に指定され、維持管理への援助策もとられているようでありますが、近隣の敷地への越境問題、 害虫、落ち葉など、所有者が樹木を維持管理していくにはさまざまな苦労があると聞いております。
近所の大きな農家の庭先の数本のケヤキの大木は、哀れにも枝の多くが切り取られ、電柱のような形になっております。聞くところによれば、周りに住宅が次々に建ち、近隣の住人からの落ち葉や日照の問題が原因だということも仄聞しております。
また、私の住む地域は比較的緑の多い住宅地でありますが、宅地開発もふえ、人口も増加しております。土地の有効活用ということで指定を解除し、樹木や樹 林を切って駐車場を設置したり、アパートを建てる所有者も多いのが現実であります。都はこのような実態をどのように把握しているのか、まずお聞きをします。
○徳毛自然環境部長
市街地の庭先に残された貴重な大木を保全することは、都市環境の保全、防災、潤い、風格、生物の生存基盤の確保からも重要であります。現在、都の都市計画区 域内に残る貴重な大きな樹木につきましては、都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律の基準に基づきまして、区市町村長が保存樹木または保 存樹林として指定し、保存のための援助を行っております。
都はこれまでも、区市町村と連携して都市の緑化を進めるため、都及び区市町村で構成する緑の情報連絡会を開催し、情報の収集と共有化を図ってまいりまし た。このような場を通じて、所有者からの助成額の増額要望や、落ち葉処理を初め樹木管理をめぐる住民間のトラブルなど、区市町村、所有者双方が解決の難しい課題を抱えている実態であることを把握しております。
○髙橋かずみ委員
保存樹木や保存樹林について、区部の自治体でもささやかな援助がされておりますが、まず、援助の実態を確認するため、練馬区の補助の状況を示すとともに、他の区の補助の状況と比較していただきたいと思います。
また、これらの援助だけでは不十分と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
○徳毛自然環境部長
保存樹木、保存樹林への援助につきましては、区市町村の条例または要綱に基づき実施されておりますが、その援助は区市町村が定めた指定基準に応じ、樹木の 本数や面積に応じて助成金を支払うケースや、枝の剪定や肥料、病害虫防除の経費への助成を行うケースなど、それぞれの区市町村で援助の方法は異なっており ます。
練馬区では、保存樹木は1本につき年間5千円、保存樹林は1平方メートル当たり年間65円となっておりますが、他の区の例では、保存樹木1本につき年間 に最高で1万円から最低3千円となっております。このように区市町村が樹木や樹林を守るためにさまざまな工夫を凝らしておりますけれども、平成14年度中 に保存樹木554本、保存樹林約4万7千6百平方メートルの指定が解除された実態がございます。
○髙橋かずみ委員
次に、これら保存樹木を適切に維持管理していくためには、東京都としてどのような取り組みを行っていくのかお伺いいたします。
○徳毛自然環境部長
法律によれば、保存樹木及び樹林の指定、所有者への助言、援助は区市町村長が行うこととされておりまして、都道府県は、区市町村に対して報告、資料の提出 を求めること、及び保存に必要な勧告、助言、技術的援助を行うこととされております。こうした中で、区市町村からは、樹木の保全に係る市民との研究会の設 置や、ボランティアの活用を視野に入れた条例制定など、新たな取り組み事例も報告されております。
都は、今後も緑の情報連絡会などを通じ、区市町村との情報交換を積極的に行い、市民等の自主的、主体的な取り組みと協働した自治体の成功事例等を把握し、周知するなど、広域的な立場からそれらの取り組みを積極的に支援してまいります。
また、都は、相続を契機にこれらの樹林地が次々と失われていく実態を踏まえ、この問題の抜本的解決に向けて相続税の納税猶予制度の創設や、樹林地のまま物納し自治体が保全できる仕組みづくりを、八都県市とも連携して、国に対し強く要求してまいります。
○髙橋かずみ委員
そこで、私としての意見を申し上げさせていただきます。
近隣住民とのトラブルや維持管理の苦労の末の伐採、さらには、相続発生時の土地の売却により、年輪を重ねた樹木が次々と伐採されております。こうして樹 木や樹林地が消えていき、緑のない殺伐とした街並みに変わっていくことに、私は到底耐えられないところであります。委員の皆さんや理事者の皆さんも、往時 を振り返れば同じ気持ちであると私は思います。一度切ってしまった樹木は2度と再生することは困難でありますし、木を植えてそこまで育てるには、気の遠く なるような時間が必要になると思うのであります。
保存樹木に指定されるような大木は、何十平米もの広さの地面や地上に根や枝を張っております。先ほどの答弁にもありましたが、枝を剪定し、落ち葉を処理 するなど、大木を維持管理するための経費は区市町村の助成ではとても賄えないのであります。土地を有効に活用したい土地所有者にとって、貴重な樹木を伐採 せざるを得ない事情は何か、現実をよく見てほしいと思いますし、保全のための取り組みを大部分所有者の努力に頼っている現状は適切ではないと考えます。
都は、これらの保存を進める役割は基本的に区市町村にあるというのではなく、例えば区市町村が独自に定めている助成の基準についても、もっと現実の維持 管理経費に応じて見直すよう働きかけるべきであると思うのであります。さらには、将来に向かって、地域の財産である貴重な樹木を本当に残したいと考えるな らば、樹木の保全、生育に必要な空間や、土地の広さに見合った固定資産税の軽減措置を考えるべきであると思います。
そして、東京都は、どうしたら市街地に残された貴重な樹木、樹林を保全することができるのか、国の関係省庁への強い働きかけを含めて、あらゆる知恵を絞って検討していただくことを強く要望させていただき、次の質問に入らせていただきます。
次に、屋上緑化についてお尋ねさせていただきます。
ことしの6月に、知事の出席のもとに行われた環境問題を考える都民のつどいにおいて、練馬区にある幼児教育施設の園舎の屋上緑化に対し、環境局長から東 京都環境賞を贈呈されたところであります。この事例は、自然保護条例の緑化基準を大幅に上回っている模範的なものであると思いますが、このように屋上を全 面緑化した事例はほかにどのくらいあるのか、まずお伺いいたします。
○百合都市地球環境部長
緑化計画書制度によります屋上等緑化の基準は、建物管理に必要な施設などを除きました屋上面積の20%以上を緑化することとしてございます。ご質問の屋上 の利用可能な面積を100%緑化した事例は、平成13年度7件、14年度4件でございまして、緑化計画書制度の対象件数の約0.5%に当たっております。
中でも、東京都環境賞を受賞いたしました施設は、菜園として幼児教育に有効に活用されており、質の高い屋上緑化施設であるということでございます。
○髙橋かずみ委員
次に、こうしたすぐれた屋上緑化を進めていく必要があると思いますが、屋上緑化は、地上の緑化と異なり、建築物の防水や耐荷重など技術的な問題があるように聞いておりますが、推進する都の立場としてはどのように受けとめ、対応していこうとしているのかお伺いします。
○百合都市地球環境部長
屋上緑化は条例施行前から行われておりまして、技術的には一定の水準が確保されているというふうに認識をしております。都が全国に先駆けて義務化しました結果、屋上等緑化の技術開発は急速に進んでいるというふうに思っております。
緑化資材の性能や技術の向上のため、国におきましては、平成13年度に、屋上緑化建築技術認定基準を作成しておりまして、また、民間事業者レベルでは、自主的な資格講習制度などの検討も進んでいるところでございます。
なお、東京都におきましては、平成14年度に作成をいたしました公共建築物における屋上緑化の手引に基づきまして、屋上緑化事業を実施しているところで ございます。今後とも関係情報の収集に努めまして、屋上緑化の推進指導に活用していきたいというふうに思っております。
○髙橋かずみ委員
次に、屋上緑化についての技術的な問題がクリアされるのであるならば、屋上緑化を積極的に推進することは、身近なところに緑と自然体験の場を創出する可能 性を広げ、また、今日いわれておりますヒートアイランド対策にも役立つと考えますが、都としてさらに普及させるための支援策や方策はあるのかお伺いをいた します。
○百合都市地球環境部長
屋上緑化の支援策といたしましては、東京都都市緑化基金による助成や、技術・事業革新等支援資金融資制度による低金利融資が実施をされているところでござ います。また、すぐれた屋上緑化施設に対しましては、表彰制度により顕彰するとともに、良好な屋上緑化の実例を広く紹介し、普及を図っているところでござ います。
現在、東京都環境科学研究所などがローコスト、ローメンテナンスで改善効果のある屋上緑化技術を開発するため調査研究を行っているところでございます。 今後、研究結果を広く情報提供するなど、屋上等緑化の普及推進を図っていきたいというふうに思っております。
○髙橋かずみ委員
次に、昨年から、建築物環境計画書制度が施行されておりますが、この制度の中では、屋上緑化はどのように扱われているのかお伺いいたします。
○百合都市地球環境部長
建築物環境計画書制度は、延べ床面積1万平方メートルを超えます建築物を新築または増築する場合に、建築主に環境計画書の提出を求めまして、設計時に環境 配慮を取り入れるよう誘導する仕組みとして構築をしたものでございます。この制度の中で、屋上等緑化につきましては、環境配慮事項の一つに位置づけている ところでございます。
取り組みの評価におきましては、自然保護条例の緑化基準を大きく上回る場合、または樹木による良質な屋上等緑化を行う場合には、高い評価をすることによって、より高いレベルの緑化につながるような誘導策となってございます。
また、建築主から提出をされました環境計画書は、評価の結果も含めまして都のホームページで公表しておりまして、社会的評価につながる仕組みとなっております。
○髙橋かずみ委員
次に、良好な都市環境を確保するために、建築物に屋上緑化を含めた環境配慮の取り組みを誘導することは大切だと思います。このような制度をさらに発展させていく必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
○百合都市地球環境部長
東京は、現在、本格的な都市の更新期を迎え始めております。この時期をとらえまして、建築時に環境に配慮した取り組みを求めるこの制度は、環境保護の面から有効な仕組みとなっているというふうに考えております。
この制度を省エネルギー性の向上やヒートアイランド対策の推進の視点から、さらに有効なものとして充実させていくことにつきまして、現在東京都環境審議会において審議をいただいているところでございます。
○髙橋かずみ委員
最後に、この件についても意見を申し上げさせていただきます。
このような都の取り組みは、大規模建築物を対象とすることによって、中小規模の建物にも今後大きな波及効果が期待されると思います。都はさらに民間に対 して環境に配慮した取り組みを誘導する施策を打ち出し、環境都市といわれるにふさわしい良好なまちづくりを進めていくよう強く要望させていただきまして、 私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。