○髙橋かずみ委員
最初に、在宅医療廃棄物対策についてお尋ねいたします。
高齢化社会が進み、慢性疾患や自宅で医療を受けたいという要望がふえ、今までは医療機関で行われてきた医療が一般家庭でも実施されるようになってきまし た。例えば糖尿病の方の中には、医師の処方せんを持って薬局で注射針を購入し、自宅でインシュリン注射をする人もいるようであります。
このように医療技術が進歩して患者さんにとっては便利になりましたが、一方、使用した注射針が家庭からごみとして出ることになります。患者さんもこうい うものを一般のごみと一緒に捨てるのは抵抗があるだろうし、区が行うごみの収集作業でも安全面で問題があると仄聞しております。
都の働きかけをきっかけとして、東京都薬剤師会が使用済み注射針回収の検討を開始したと聞いております。回収を始めるに当たって、回収に要する経費などの課題や、使用済みの注射針を扱うという不安もあったと思います。
こうした中、私の地元の練馬区薬剤師会が杉並区薬剤師会とともに決断し、都内で初めて回収を始めました。これは大変評価できることと思いますが、薬剤師会が回収を始めた経緯をまずお伺いいたします。
○福永廃棄物対策部長
都は、区市町村による適正処理が困難でございます、家庭から排出される使用済みの注射針の対策として、事業者による回収、処理が適切であると判断し、薬局による回収について東京都薬剤師会に働きかけを行いました。
この働きかけをきっかけといたしまして、東京都薬剤師会では、薬局による回収について検討を始め、薬局が患者から回収した容器を地区管理センターに集めた 後、産業廃棄物処理業者に引き渡し、適正処理する仕組みを構築いたしました。都は、東京都薬剤師会による検討に加わりますとともに、事業を立ち上げるため に経費の一部を助成することといたしました。
その中で、とりわけ練馬区薬剤師会は、杉並区薬剤師会とともに薬局の取りまとめや調整などに積極的に取り組まれ、平成14年11月からモデル回収事業を開始されました。
使用済み注射針の回収は、既に一部の医療機関で行われていましたが、身近な薬局でも回収を行うことにより、患者さんにとってより回収に協力しやすいものになり、また、区が行うごみの収集作業時の事故防止にもつながるものと考えております。
なお、回収事業は、その後さらに拡大し、現在、11区、3市の地域まで広がっております。
○髙橋かずみ 委員
平成14年11月の開始から1年以上たち、実施地域も順次拡大しているわけでありますが、患者さんの評判はどうなのか、また、回収を実施していく上で何か問題点があったのか、お伺いいたします。
○福永廃棄物対策部長
東京都薬剤師会によりますと、回収はおおむね順調に進んでおり、特にトラブルもなく、患者さんからも好評と聞いております。地元の薬局や薬剤師会がPRに努められた結果、現在では回収事業も定着し、回収量もふえてきております。
回収費用については、薬剤師会にとって大きな負担とならないよう、地区管理センターに集めるなど回収システムを工夫し、効率化を図っております。
なお、より一層効率的な回収を行うという点から、患者さんには、回収容器に針がいっぱいになってから持ち込んでいただくというふうにお願いしているということでございます。
○髙橋かずみ 委員
工夫の余地はあるにしても、大きなトラブルもなく、順調に進んでいるということで、大変よいことだと思います。実施地域も11区、3市で行われているとい うことでありますので、23区では半分近い地域で回収されていることになるわけであります。来年には、ぜひとも23区全域に広げてもらいたいと思います。 また、多摩地域ではこれからというところでありますが、患者さんの利便性を考えると、都内全域で実施することが望ましいと思います。今後、回収地域の拡大の見通しについてお伺いいたしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長
ご指摘のとおり、患者さんの利便性や事業者による自主的な回収を促進するという観点から、なるべく多くの薬局で回収が実施されることを目指しまして、都と いたしましては、地元の区市町村と連携をいたしまして、この回収事業ができるだけ早期に、区部及び多摩地域の全域に拡大されるように、さらに東京都薬剤師会に働きかけてまいります。
○髙橋かずみ 委員
よろしくお願いします。
次に、PCB廃棄物処理施設についてお尋ねさせていただきます。
感染性廃棄物と並んで特別な管理の必要な廃棄物として、PCB廃棄物があります。PCB廃棄物は、昭和47年に製造が中止されて以来、処理施設の整備が 進まなかったため、事業者による保管は30年の長きにわたっており、20世紀の負の遺産とも呼ばれております。紛失などによる環境リスクの拡大を防ぐため にも、一刻も早い処理が望まれていましたが、平成13年になってようやくPCB特別措置法が定められ、全国5カ所に整備予定の施設による広域処理体制の確 立が進められていると仄聞しております。
首都圏のPCB廃棄物については、東京都が早くも14年4月に、1都3県分のPCB廃棄物の広域処理施設を受け入れることを表明し、事業が進められてい ると聞いております。産業廃棄物の排出事業者が多く集中し、その多くが都外で中間処理、最終処分されている中で、都内分だけでなく、他県のPCBも処理す る事業の受け入れは、東京都にとって画期的なこととして高く評価するものであります。
そこで、現時点における施設整備の進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
○松本参事
PCB廃棄物処理施設については、平成14年4月の受け入れ表明に当たりまして、安全確保等にかかわる受け入れ条件を東京都が提示しました。これを踏まえ まして、事業主体となる環境事業団が技術的検討を行うとともに、都市計画決定、環境影響評価など、施設建設に必要な法定手続を進めているところでありま す。
ことし5月に都市計画決定を経た後、7月に工事着工し、来年11月に処理を開始します。都内の事業者が保有する高圧トランス、コンデンサー、安定器等の 高濃度PCB廃棄物につきましては、東京都廃棄物処理計画で目標としております平成22年度までに処理を完了します。電力事業者及び隣接3県のPCB廃棄 物につきましては、PCB特別措置法に定めます処理期間の前である平成27年3月までに処理を完了する計画となっております。
○髙橋かずみ 委員
そこでお伺いいたします。
法定手続も最終段階となり、いよいよ施設の建設工事が間近になってきたということで、事業も順調に進んでいることがわかりました。施設がいよいよ動き始 めたときに、何よりも重要なのは安全の確保であります。施設内での処理過程はもちろん、PCB廃棄物を施設に運搬する際も含め、安全には万全を期す必要が あると思います。安全確保策がどのようになっているのか、お伺いいたします。
○松本参事
施設受け入れに当たっての東京都の受け入れ条件では、処理における安全性確保のため、万が一の誤動作やミスがあっても事故に直結させないフェールセーフ、不測の事態による事故があっても影響を最小限に抑えるセーフティーネットなどの措置を実施することを求めております。
また、収集、運搬につきましては、環境事業団が関係都県市とともにPCB廃棄物の搬入調整を行うとともに、国が策定中の収集、運搬に関するガイドラインを遵守する収集運搬業者のみを受け入れることを条件としております。
都は、国及び環境事業団に、引き続きこれらの安全策を確実に履行させてまいります。
○髙橋かずみ 委員
安全対策には十分配慮しているようでありますが、都民に安心してもらうためには、ハード面で施設がしっかりできていますというだけではだめでありますし、操業状況の情報開示や施設公開、環境モニタリングなどソフト面で安全を確認してもらうことが効果的だと思います。
都民の安心を確保するためにどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○松本参事
東京都の受け入れ条件では、環境事業団が、施設の運営に当たって、住民代表、専門家、地元区、東京都などで構成します、仮称ではございますけれども、環境 安全委員会を設置しまして、施設の稼働状況、事故などへの対応マニュアルなどについて説明を行いまして、安全性の確保等について理解を得ること、また、仮 称ではございますけれども、PCB処理情報センターを設置しまして、施設の稼働状況、環境モニタリング結果などの公開を行います。これとともに、施設公開 などを行うことなど情報公開についても求め、国から遵守する旨の回答を得ております。
このような方針を踏まえまして、現時点までにおいても、施設の設計等についての検討委員会を公開の場で開催し、また、情報を環境事業団のホームページなどで公開しますとともに、都市計画決定や環境影響評価手続の中で説明会などを開催し、都民の意見を伺ってきております。
都は、今後も、環境事業団に対し、安全対策、情報公開等について確実に履行させ、事業の円滑な推進を図ってまいります。
○髙橋かずみ 委員
よろしくお願いします。
最後に、首都東京の街路樹のあり方についてお尋ねいたします。
私は、自宅から旧早稲田通り、富士街道、青梅街道などの都道を利用して車で都庁へ来ております。道すがら車中から街並みに目をやると、車道と歩道の間に 植えられた街路樹や株物が列状に植えられた植樹帯が目に入ります。それらの街路樹は、小さく枝を切り詰められたり電線を避けるように形づけられた、何とも 痛々しい姿もあります。
私が暮らす練馬区に目を向ければ、昔ながらの街道や生活道路ともいえる幅員の狭い道路が多くあり、旧早稲田通りのように狭隘な上に歩道のない都道もあり ます。これらの道路では、その中央に緑を生み出すスペースなどあるはずもなく、歩道にもゆったりと歩くスペースがなく、植えられた街路樹も通行の邪魔もの 扱いされているように思います。
そこで、何点かお伺いいたします。なお、本来、道路を所管するのは建設局であることは十分理解しておりますが、事、道路における緑の創出に関する質問で あり、緑を所管する環境局にも関係が深いので質問することといたしましたので、できる範囲での答弁をお願いしたいと思います。
初めに、東京の都市問題の中で、緑の減少が指摘されていますが、このような現状において、東京の街路樹はどのような役割を担っているのか、環境局としての見解をお伺いいたします。
○徳毛自然環境部長
都市化が進む東京におきましては、親しみ、潤い、生き物との触れ合いなど、緑が持つ役割はますます重要となってきております。道路の街路樹や植樹帯の緑 は、都市に生活する人々が最も身近に触れる緑であります。街路樹は、まちを彩り、四季を感じさせ、ヒートアイランド現象の緩和、騒音の軽減、大気の浄化な ど都市における生活環境を改善する役割、さらには、震災時の火災延焼防止など、多くの役割を担っていると認識しております。
○髙橋かずみ 委員
街 路樹に対する環境局の認識は理解できました。私が暮らす練馬区においては、先ほども指摘したように、昔ながらの街道や生活道路ともいえる幅員が狭い都道も 多いわけでありまして、このような状況では、地元に愛される身近な緑を持つ公共空間としての役割は果たせないと思います。
そこで伺いますが、都道において緑豊かな街路樹を育てるためにどのような取り組みを行われているのか、お伺いいたします。
○徳毛自然環境部長
道路の街路樹を豊かな緑に育成するためには、十分な幅員を持った歩道の整備と良質な植栽基盤となる良好な土壌や、十分に枝を張れる地上の空間の確保が必要 だと考えております。しかし、多くの街路樹は、限られた歩道の空間に植えられ、地下埋設物や電線、建物と競合するなど、厳しい条件の中で生育しておりま す。
そのため、土壌の改善や電線の地中化などの取り組みが行われているほか、都民、企業と連携した保全活動など、街路樹の健全な育成のための取り組みが行われております。
○髙橋かずみ 委員
ところで、平日、町中を歩くと、貴重な緑の生育する歩道の空間は、自転車置き場かと思われるような光景によく出くわします。歩道の街路樹は決して道路を飾る 附属物ではなく、交通標識と同じように、道路づくりにはなくてはならないものであると思います。道路の緑が充実している都市は、その威厳、風格を醸し出す ことができると思うのであります。
しかし、快適で安全であるべき歩道空間が自転車などに占領されたり、ややもすると、商店の商品の陳列スペースと化し、災害時には危険きわまりない状況となっている場所もあります。
こうした場所では街路樹が邪魔扱いされるありさまで、歩道本来の姿からすれば本末転倒の話であり、余りにも悲しい現実があります。こうしたスペースがあるなら、植樹をし、緑豊かなスペースに転換すべきであると思います。
そこで伺いますが、今後、首都東京らしい道路の緑づくりを進めるため、環境局としてどのように取り組むお考えなのか、お伺いをします。
○徳毛自然環境部長
ヒートアイランド現象の緩和、潤いのある街並みの創出など、都市における緑の果たす役割はますます重要となっております。また、道路の緑は、豊かで個性的な街並みのシンボルとして、まちづくりに欠かすことのできないものとなっております。
このため、平成12年に策定した緑の東京計画におきまして、街路樹等による道路の緑化は、市街地の緑の回復及び風格を与える緑づくりの施策として、それぞれ目標を定めたところでございます。
先生が指摘された首都東京らしい道路の緑づくりを進めるためには、緑の東京計画に掲げた道路緑化により、緑の軸を形成していくことが極めて重要でありま す。具体的には、民間の緑づくりと一体となった道路の緑化を進めるなど、都と区市町村や民間が協力して、より効果的な施策展開を図っていくことが必要であ ると考えております。また、庁内にあっては、緑の東京計画推進委員会を通じ、関係局と相互に連携しながら施策の推進に努めてまいります。
○髙橋かずみ 委員
最後に意見を申し上げさせていただきます。
先ほども申し上げましたが、道路や街路整備の直接の所管は建設局であることはよく理解しております。私は、こうした事実を理解しつつも、街路づくりに果 たす環境局の役割が大きいと考えております。その役割を積極的に果たしてもらいたいと思い、あえてこうした質問をさせていただきましたわけであります。
私は、上空から見た東京に、緑豊かな緑地帯として都道が縦横に連なる姿を夢見ております。ぜひ100年先を見据えて、緑行政を主管する環境局が緑豊かな 道づくりに積極的に打って出ていくことをお願いして、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。