2005.03.17 : 環境・建設委員会

○髙橋かずみ委員

 最初に、今後の大気汚染対策についてお尋ねいたします。
  最近、新聞報道紙上でも、今後の大気汚染対策として、揮発性有機化合物、いわゆるVOCの排出削減が必要だという記事が時々掲載されております。
  石原知事も、先日の施政方針表明において、来年度は残された課題であるVOC排出量削減の取り組みに着手しますと発言をされました。この取り組みは、平成 17 年度の重点事業の一つにも掲げられております。
  しかし、VOCという言葉はどうも一般の都民にはまだなじみがないところでありまして、そもそもこのVOCとは一体どういうもので、どんなところから排出されているのか、まずお伺いいたします。

○梶原環境改善部長

VOCについてでございますが、VOCとは、塗料の溶剤ですとか印刷インキの溶剤などに使われております蒸発しやすい有機化合物のことでございます。代表的なVOCといたしまして、トルエンですとかキシレンなどがございます。
  VOCは、これらさまざまな揮発しやすい有機化合物の総称でございまして、都内におきましては、平成 12 年度の排出量で年間 14 万トンが排出されているところでございます。このうち、工場、事業所などのいわゆる固定発生源から、約七割が排出されております。

○髙橋かずみ 委員

 それでは、なぜVOCの排出削減が必要なのか、大気や人体に対してどのような悪影響を及ぼすのか、説明をお願いいたします。

○梶原環境改善部長

毎年夏になりますと、光化学スモッグによります被害が発生しておりますけれども、VOCは光化学オキシダントを生成する原因物質となります。また一方、 VOCは、大気中で浮遊粒子状物質に変化する、いわゆる 2 次生成と私ども呼んでおりますが、そういった性格も同時に持っております。
  ディーゼル車規制などで大気中の浮遊粒子状物質の濃度はかなり改善されてきておりますけれども、環境基準の達成を図るためには、VOCの排出削減も必要 でございます。さらに、VOCの中には、VOCそれ自体に発がん性や中枢神経などに影響を与える有害な化学物質がございます。

○髙橋かずみ 委員

 そういう問題は、何も最近になってからわかったわけではないと思います。今まで、都ではどのような対策や検討を講じられてきたのか、お伺いします。

○梶原環境改善部長

私ども、既に環境確保条例におきまして、有害ガスとしてのVOCの排出を規制するという観点から、工場や事業所に対しまして、排出口から排出される空気について、有害ガスの濃度の基準を設けて規制を実施しているところでございます。
  一方、ガソリンなどの燃料の貯蔵施設を設置しております工場、事業所に対しましては、VOCの排出防止設備の設置を義務づけているところでございます。
  また、一時改善した光化学スモッグが最近再び発生しやすくなっているという実態がございまして、そうしたことから、平成15年6月から光化学オキシダン ト対策検討会を設置しまして、この要因を検討してまいりました。本年2月に報告が取りまとめられ、報告をちょうだいしました。

○髙橋かずみ 委員

2月に光化学オキシダント対策検討会の報告がまとめられたという説明がありましたが、その内容はどういうものなのか、ご説明願います。

○梶原環境改善部長

光化学オキシダント対策検討会の報告の要点でございますけれども、光化学オキシダント高濃度化という現象には、気象要因による原因のほか、オキシダントの 原因物質でございます窒素酸化物とVOCの濃度比が高濃度化に関係しているということがわかってまいりました。すなわち、窒素酸化物の濃度が施策の影響で低下している中で、VOCの排出削減がこれに追いついていないということによりまして、窒素酸化物の濃度に対しましてVOCの濃度が相対的に大きくなった ことが光化学オキシダントの生成を促進しているということがわかってまいりました。
  このため、報告では、今後は、窒素酸化物の排出削減に加え、環境中のVOCのさらなる削減が必要であるというふうにまとめていただいております。

○髙橋かずみ 委員

 今の説明でVOCの排出削減の必要性はわかりましたが、それでは、国においては何かVOCの対策が考えられているのか、お伺いいたします。

○梶原環境改善部長

昨年の 5 月ですが、大気汚染防止法が改正されまして、法律にもVOCの排出に対する規制が導入され、来年の 5月までには施行の予定になってございます。
  新しい改正法では、規制と自主的取り組みの適切な組み合わせでVOC対策を実施するとされておりまして、現在、中央環境審議会の専門委員会で検討されて いる規制対象施設でございますけれども、相当程度大規模な施設に限って規制を行うというふうに聞いておるところでございます。

○髙橋かずみ 委員

 今のご説明でありますと、法律による規制は大規模な施設に限るとのことでありますが、塗装業者や印刷業者などでは、都内の場合は圧倒的に中小規模の事業者 が多いという特徴があると思います。中小規模の事業者にとっては、VOCの排出削減は新たな取り組みとなるため、事業者が的確な対応がとれるように、都 は、事業者に対する支援など、対策について十分配慮しなければならないと思います。
  このような観点から、都はどのようにVOC対策を進めていくお考えなのか、伺います。

○梶原環境改善部長

事業者が行いますVOC排出削減対策につきまして、事業者の的確な対応がされますように、都の平成 17 年度の重点事業におきまして、事業者の自主的取り組みへの支援、それから、VOCの含有量が少ない低VOC製品の普及促進を大きな柱にしてございます。
  事業者の自主的取り組みの支援でございますけれども、事業者がVOCの排出削減目標などを設定して計画的に排出削減を図るよう、自主的な計画の作成支援を行うほか、VOCの排出抑制の方策をまとめましたVOC対策のガイドの作成などを行う予定でございます。
  低VOC製品の普及促進の方でございますが、こちらは都の率先行動といたしまして、公共部門におきます低VOC製品の優先使用を行いますとともに、都民、事業者に対しまして、PRですとか普及啓発を行ってまいります。

○髙橋かずみ 委員

 この件について意見を申し上げておきます。
  VOC対策というのは、一般の都民や事業者にとってわかりづらいものでありますので、都は、都民などに対してなるべくわかりやすい説明をして普及啓発を 行うとともに、VOCを排出する事業者に対しては、過度な負担にならないようにVOC対策を進めることを要望しておきます。
  次に、廃棄物条例の改正案についてお尋ねいたします。
  先日の本会議の代表質問で、我が党は、新たな制度を提案した背景と、その制度が産業廃棄物処理業者の健全な発展にどう結びつくのかについて質問をさせていただきました。
  そこで、本日は、本会議での質問を踏まえて、具体的にその制度の内容について伺います。
  今から 5 年ほど前に発覚した、青森県と岩手県の県境における大規模な不法投棄事件では、周辺の水環境や土壌などにも重大な影響を及ぼしていることが明らかになりました。これを復元するには多大な費用と時間を要することになると仄聞しております。
  この事件では、都内から排出された産業廃棄物も投棄されていて、都内の事業者の名称が新聞報道されました。不法投棄は、その実行者に責任があることはいうまでもありませんが、その廃棄物を排出した事業者の責任も極めて重いと思います。
  そこで、排出事業者の責任について、現在どのように定められているのか、お伺いいたします。

○小山廃棄物対策部長

廃棄物処理法では、産業廃棄物を排出した事業者が、その排出から最終処分の完了までの一連の処理が適正に行われるように努めなければならないと規定されております。
  具体的には、排出事業者は、産業廃棄物を排出するときに、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストを交付し、処理を委託した産業廃棄物が適正に最終処分されることをマニフェストによって確認するよう義務づけられております。
  また、仮に産業廃棄物が不法投棄された場合に、それにより生活環境に影響の及ぶことのないよう、都道府県は排出事業者にもその撤去を命令することができるとされております。

○髙橋かずみ 委員

 産業廃棄物が不法投棄された場合に、それを排出した事業者に撤去を命令できるということでありますが、一たん不法投棄された産業廃棄物の排出事業者を特定す ることはかなり困難だと思います。このことからも、不法投棄は、発生してから対処するよりも、当然のことながら、未然に防止していくことが極めて重要であ ると思います。そのためには、ただ罰則を強化するだけではなく、産業廃棄物を排出する事業者に対して、排出から最終処分に至るまで適正な処理がなされるよ う、責任を負っているのだという自覚を促していくことが大切だと思います。
  そこで、今回提案されている排出事業者の報告を公表する制度が、排出事業者の自覚を促し、不法投棄を未然に防止することにどう結びつくのか、お伺いいたします。

○小山廃棄物対策部長

今回提案をさせていただきました報告・公表制度では、排出事業者に対して、みずから排出した産業廃棄物が、適正な処理に向けて、みずからの法令遵守の状況 を点検しているかや、委託した廃棄物の適正な処理を確認する具体的方法等について報告を求め、公表することとしております。公表することによりまして、適 正処理を確保するためにより望ましい取り組みを行っている排出事業者が、社会から環境に関する社会的責任を果たしているとの評価を受けることになります。
  このことによりまして、排出事業者の適正処理に向けた自覚が促され、さらに積極的に望ましい取り組みが行われるようになると考えます。このことが不法投棄の未然防止につながっていくものと考えております。

○髙橋かずみ 委員

 もう少し具体的に、適正な処理を確認する方法についてお伺いさせていただきます。
  まず、産業廃棄物の処理を処理業者に委託する場合に、委託先の処理業者をどのように選定するかについてであります。
  排出事業者は、委託先の処理業者が適正に処理する能力があって、委託しても大丈夫なのかどうかを見きわめる必要があると思いますが、具体的に、処理業者の選択に関してどのような報告を求めるつもりなのか、お伺いいたします。

○小山廃棄物対策部長

排出事業者が処理を委託する事業者を安易に価格優先で選定することがないよう、委託先の処理施設の状況を直接確認しているか、処理の実績を確認している か、処理業者の適正処理のための管理体制が万全かなど、どの程度まで委託先の状況を確認し、処理業者を選定しているかについて報告を求めてまいります。

○髙橋かずみ 委員

 次に、実際の処理が行われる際にどのような確認をするのかについてであります。
  産業廃棄物を引き渡すときに、委託先の処理業者任せにして、排出事業者が責任を持って引き渡していない実態があるようであります。また、廃棄物を処理業者に引き渡したままで、適正に処理されたことを確認していない事例もあるようであります。
  そこで、今回の制度では、産業廃棄物の引き渡しから最終処分に至るまでの間についてどのような報告を求めるつもりなのか、お伺いいたします。

○小山廃棄物対策部長

 産業廃棄物の引き渡しから最終処分に至るまでの間についての報告でございますが、産業廃棄物を引き渡すときに、品目、性状、数量を直接確認しているか、運搬車両の許可番号等の表示を確認しているかなど、具体的な確認事項について報告を求めてまいります。
  また、産業廃棄物の処理が完了すれば、マニフェストが排出事業者のもとに返送されてまいりますが、その記載内容と委託したときの契約内容との整合がとれているかどうか、きちんと確認しているかなど報告を求め、これらを公表する予定でございます。

○髙橋かずみ 委員

 最後に、公表についてお伺いいたします。
  先ほどの答弁では、排出事業者の報告する内容を公表することによって排出事業者が評価を受け、そのことにより、さらに排出事業者の取り組みがより積極的 なものになるとのことでありました。そのためには、排出事業者の取り組み状況を多くの人が見ることができ、また、その内容が、それを目にする人にとって容易に理解できるわかりやすいものでなければならないと思うのでありますが、具体的にどのような形で公表を行っていくつもりなのか、伺います。

○小山廃棄物対策部長

 報告されました内容は、都民や顧客、同業他社など多くの人が簡便な方法で見られるよう、インターネット上において公表してまいります。また、公表の内容の 読み手に容易に理解してもらえるよう、報告事項に関する解説を付すとともに、各排出事業者の取り組みの状況を相互に比較しやすいよう、そのような様式で報 告を求めるなど、配慮を行ってまいります。

○髙橋かずみ 委員

 この件につきましても意見を申し上げさせていただきます。
  これまでの答弁で、今回導入する排出事業者に対する報告・公表制度は、適正処理に対する排出事業者の自覚を促していくのに有効な制度であるということが 理解できました。ぜひ、制度の円滑な施行に向けて、排出事業者に十分この制度の趣旨や内容が伝わるように、行政の努力を大いに期待させていただきまして、 私の質問を終わらせていただきます。
  ありがとうございました。

 

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