◯髙橋かずみ委員
私から、事業概要の一二〇ページ、医療廃棄物の適正処理についてお尋ねいたします。
事業概要には、医療廃棄物、特に感染症廃棄物は有害性が高く、不法投棄された場合の影響が特に大きいため、適正処理に向けた対策が必要であると書かれております。九月二十一日付の朝刊各紙でも報道されましたように、医療機関や動物病院から注射針などの感染症廃棄物を無許可で集めた業者が、都内の住宅街にあるコンテナボックスに長期間放置するというような悪質な事件も発覚しております。医療廃棄物の不適正処理はあってはならないことであり、都としても的確な対策をしっかりと進めていくべきだと思います。
そこで、医療廃棄物の適正処理について何点かお伺いさせていただきます。
私は、平成十六年三月の当委員会で、在宅医療に関連した廃棄物の問題として、薬局による使用済み注射針の回収事業についての問題を取り上げました。この事業は、私の地元の練馬区薬剤師会と杉並区薬剤師会とが都と連携し開始いたしました、事業者による自主回収システムであります。私が質問した当時、都内では十一区三市でしか実施されていなかったと記憶しております。
私はその際、こうした薬局による使用済み注射針の回収は大変よいことであり、都内全域で実施することが望ましいと提言をしました。あれから二年半が経過しましたが、都は、医療廃棄物処理の課題になっていた使用済み注射針の回収の仕組みづくりについてどのように取り組んできたのか、具体的にお答え願いたいと思います。
◯髙橋かずみ委員
都の働きかけにより、練馬区や杉並区のモデル事業を契機に、薬局による注射針の回収システムが都内全域に拡大したことは大変意義があることだと思います。
ところで、同じく事業概要では、医療廃棄物の適正処理を図るために、昨年十月より、都内の病院向けにICタグを活用した追跡管理システムを開始したとあります。このシステムは、病院から排出される感染症の医療廃棄物を、運搬から処分までの一連の流れを容器ごとに追跡管理するものであります。医療廃棄物の不法投棄が環境に及ぼす影響は多大なものがあり、その意味で、昨年度よりICタグによる追跡管理システムが導入されて、適正処理のための仕組みが整ったことは大きな一歩だといえます。
このシステムを導入してから一年が経過しておりますが、現在の実施病院は五病院と仄聞しております。医療廃棄物の適正処理を推進するためには、ICタグの意義や利点についてさらなる普及に努め、実施病院を拡大していくことが重要だと思いますが、このシステムの利点と課題について都はどのように認識しているのか、お伺いします。
◯髙橋かずみ委員
医療廃棄物の適正処理のために多大な効果が期待できるシステムであるにもかかわらず、実施病院がなかなか拡大しないことに課題があることがわかりました。私は、こうしたシステムについては、さきにも触れた薬局による注射針の回収事業のように、関係機関と連携してさまざまな観点から具体的方策を検討し、適切に普及拡大を図ることが重要であると考えます。今後、このICタグによる追跡管理システムの普及活動に向けて、都はどのように取り組もうとしているのか、お伺いします。
◯髙橋かずみ委員
都が適正処理ガイドラインを策定し、それに基づいてICタグの普及拡大を目指すという方向性はいいことだと考えます。
しかし、私はそれだけでは不十分だと思います。病院側が、ICタグの必要性は理解するが、新たにICタグの購入費用がかかるのは問題だといった考え方を持っている以上、まだこのシステムの意義について理解を得られたとはいえないと思うのであります。そうした考えを根本から変えていくためには、医療廃棄物の排出事業者としての自覚を促し、社会的責任を徹底していくことが必要だと思います。
そのためには、私は、都が昨年導入した産業廃棄物の報告・公表制度が有効な手段になり得るのではないかと期待しています。この制度は、処理業者に加え、排出事業者に適正処理や減量化、資源化の取り組み状況等を都に報告させ、これを都がホームページで公表する制度であり、排出事業者に対し自覚と責任を求める制度といえます。私は、ICタグの普及拡大のためには、こうした報告・公表制度を活用することにより、病院を初めとする排出事業者に対する意識改革を進めることが有効な手段になるのではないかと考えますが、都の見解をお伺いします。
◯髙橋かずみ委員
ただいま答弁いただきましたように、報告・公表制度は排出事業者に適正処理確保に向けた取り組みを促進するために導入された制度だといえるわけでありますから、今後、都は、この報告・公表制度を十分活用しながら、ICタグの普及をさらに進めて、実施病院を拡大し、医療廃棄物の適正処理を一層推進していくべきだと考えます。都の今後の取り組みに期待しておきます。
次に、事業概要の四三ページの地球温暖化対策について、東京都の取り組みについてお尋ねいたします。
地球温暖化は二十一世紀最大の環境問題であります。現に地球温暖化の影響を受け、国家存亡の危機に瀕している島しょ諸国もあります。方策がおくれればおくれるほど、温暖化の悪影響がより早く顕在化します。こうした温暖化防止に向けては、東京都、事業者、都民のそれぞれが主体となって積極的に取り組んでいくことが重要であると考えます。
また、都知事は、第三回都議会定例会において、オリンピックをてこに、都は世界に先んじてCO2半減都市モデルの実現を目指し、都政のあらゆる分野でCO2の大幅な削減を目指すとしています。大いに共感するものであります。
私は九月一日に下水道局の清瀬水再生センターで、汚泥の焼却熱を蓄熱し、有効利用することで温暖化防止にも役立てるといった実証実験の取り組みを視察してまいりました。この取り組みは、清瀬の水再生センターの汚泥焼却熱を蓄熱タンクに蓄え、清瀬体育館にトラックで搬送して供給するもので、東京都下水道局と民間事業者などが環境省の補助を得て共同で研究を行っているものであります。水再生センターでは中低温の廃熱がほとんど使われていない。片や近隣の体育館や病院など、中低温の廃熱の活用ができる施設があります。水再生センターのうちの未利用エネルギーを有効活用し、熱を必要としている施設のエネルギーとして活用しており、温室効果ガスの削減も図れ、まさに理想的なシステムであり、実証実験とはいえ、都の施設でこのような先駆的な取り組みがなされていることに大変感心をいたしました。まだコスト面などの具体的な課題の検討が必要とのことでありますが、事業化に大いに期待したいと思っております。
さて、地球温暖化対策の東京都の取り組みでありますが、事業概要にあるように、これまで地球温暖化対策計画書制度や建築物環境計画書制度を初め、国に先駆けさまざまな温暖化対策に資する制度を創設、強化するなど、温暖化防止に向け積極的な取り組みを進めていることは大いに評価するところであります。これらの諸制度は、民間事業者などに対し、省エネルギーなど、温暖化防止のための取り組みを求めていくものとなっています。清瀬水再生センターの実証実験は都と民間との取り組みでありますが、地球温暖化対策の実効性を高めるためには、まず都みずからが率先して行動していくことが何よりも重要であり、事業者や都民にその範を示していく必要があると思います。
そこで伺いますが、都は昨年八月に、都としての地球温暖化対策の取り組みをまとめた地球温暖化対策都庁プランを策定し、平成十七年度から平成二十一年度までの五カ年の温室効果ガスを一〇%削減することとしました。今回策定したプランの特徴は何か、確認する意味でお伺いします。
◯髙橋かずみ委員
地球温暖化対策都庁プランにおいては、公営企業局も含め、都庁全体で取り組んでいく姿勢は理解いたしました。しかし、都庁全体で五年間で一〇%の削減を着実に達成するためには、それなりの仕掛けが必要だと考えます。この地球温暖化対策都庁プランの実効性を担保するためにどのようにしているのか、お伺いします。
◯髙橋かずみ委員
都庁挙げて地球温暖化対策に取り組んでいる姿勢については、わかりました。
それでは、気になるのは計画初年度である十七年度の削減実績についてであります。昨年度はどのような温室効果ガス削減対策に取り組み、その削減実績はどれくらいだったのか、お伺いします。
◯髙橋かずみ委員
五年間で一〇%削減する計画にあって、この三・三%削減という数値についてどのように評価しているのか、また、これを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか、お伺いします。
◯髙橋かずみ委員
ただいま地球温暖化防止に向け今後一層取り組みを進めていくとの決意ともいえるように聞こえました。絵にかいたもちとなることなく、都民や民間事業者の模範となるよう、都庁プランに掲げた目標、対策に取り組んでほしいと思います。
冒頭に清瀬の水再生センターでの実証実験の話をさせていただきましたが、こうした実証段階での取り組みや温暖化防止のための省エネ技術など、民間事業者が活用できる可能性があるものがまだまだ多くあると思います。民間事業者、特に中小事業者はこうした情報を得る機会が少ないことから、今後、都が温暖化対策を進めていく中で得た温暖化の取り組みや技術について、積極的に情報提供を行っていただきたいと思います。
最後に、事業概要の一三九ページ、緑の保全と再生についてお尋ねいたします。
昨今の地球温暖化への関心の高まりなどを背景にして、都市活動に伴うヒートアイランドや森林の荒廃などを何とかしなくてはといった声が人々の間に広がり、緑を守り育てる住民意識の高揚だけでなく、保全活動も大いに広がってきております。このように、緑の保全、創出といったことが多くの都民の関心事となっていますが、残念ながら、緑地保全の中でともすれば農地のことが忘れられているように見受けられます。そこで、本日は農地の視点から東京の緑地保全を考え、何点かお伺いさせていただきます。
まず、あきる野市の横沢入で、かつての里山の風景を再現するために、初めての里山保全の指定をしたと聞いております。里山は農業活動があってこそ保全できるものと思います。しかし、横沢入では現在農業がほとんど行われなくなっており、どのように里山を保全、創出していくのか、十分に考えていかねばならないと思います。その点についてどのようにしていくのか、お伺いします。
◯髙橋かずみ委員
里山の保全をしようという試みで、自然保護条例を平成十二年度に改正し、やっとその第一弾が実施されたということで、少し遅い嫌いもありますが、里山作業に都民がかかわっていくことは、緑地の保全にとどまらず、農業が持つ機能を再認識していただく意味でも期待をしているところであります。ぜひそのような趣旨を生かし、利活用の手法を充実させ、今後一層進めていただきたいと考えています。
さて、ここで農業を守る緑地について、もう少しスパンを広げて考えてみます。
東京は東西九十キロメートルに及ぶ地域を有しております。冒頭、きたしろ議員から、臨海から奥多摩までの話がありましたけれども、私も実は一緒に行きまして、西は奥多摩の森林に恵まれた地域から始まり、東は臨海部の公園まで、緑の量や質もその地域ごとにさまざまな様相があり、どの地域においても、里山に限らず、農地の存在は重要な位置を占めております。
例えば私の地元練馬区での市街地の農地は、ただの緑ではなく、地域の中で農家が農作業を通して保全してきた歴史があるからであります。さらに、屋敷林などは農地に欠かせない堆肥原料の供給源として、また、農作業時の音やにおいなどの周辺住宅地との緩衝地帯としてばかりではなく、地域のシンボルとして残っている樹木もたくさんあります。これらの農地や屋敷林は緑地としてもよく手入れをされており、中には農業体験などで住民に開放され、緑を体感できる緑地になっているところも数多くあります。そのように、市街地の農地やそれに伴う緑地は農業従事者が農作物をつくるだけでなく、地域のことを考え、多様な工夫をして緑地として守り育ててきたものであります。
そこで質問をいたします。ここは環境局に対してなので、都市農業についての直接の質問は差し控えますが、農地は作物をつくるだけでなく、公益的視点からも極めて重要であると考えますが、環境面から見た農地や屋敷林の役割をどのように認識し、どのような対応をしているのか、お伺いします。
◯髙橋かずみ委員
相続税の問題についてはお話のとおりであります。都市農業を所管する産業労働局や、若い農業者などの方々に聞きますと、農家が田畑や屋敷林を手放す最大の理由は、相続に伴い多額の相続税の支払いのため土地を売却したり、相続で農地を分割せざるを得ないためだそうであります。このため、農地が少なくなり、農業を継続していくことが不可能になる場合が極めて多いとのことであります。
そこで、私の地元練馬区の保全策を紹介させていただきます。屋敷林を守るため、練馬区では、西武池袋線大泉学園駅の近くで、相続税を捻出するために開発事業者に売り払われた緑地を七億円余りの区税を投入して買い取るという英断を昨年度実施しました。これは、緑を守る住民意識の広がりにも支えられ、極めて高い評価を地元でも得ております。
しかし、このようにして自治体が購入していくことは、今申し上げた事例でも、七億円近くを使っても、残した面積は六百五十坪余りにすぎず、しょせん限界のあるもので、特に地価の高い市街地で緑を残す根本的な方法にはならないと私は考えます。
また、残念ながら、都が行っている相続税に関する国への働きかけも、さまざまな問題があり、なかなか進展を見ていないとも聞いております。粘り強く国への要望を続けることを希望いたします。
また、東京の緑全体を考える責務のある環境局においては、国への要望も重要でありますが、関係局とともに、ぜひ市街地での質の高い緑として農地や屋敷林が残るような根本的な施策を検討することが重要であると私は考えますが、ぜひその視点に立った局長の決意をお聞かせ願います。
◯髙橋かずみ委員
ありがとうございました。よくわかりました。
最後に再度申し上げますが、緑地保全のために、市街地に農地とそれを支える都市農業を残すことは極めて重要であると思います。局長から答弁いただきましたけれども、例えば、この事業概要がすべてで一九八ページまであるけれども、この緑の保全と再生のページ、七ページあるんですけれども、この七ページの中に、農業の農、農地の農が三カ所しか載っていないんですよ。ぜひ来年の事業概要には、今局長の決意もありますので、ぜひそれぞれの局間が理解できるような、そういった事業概要でありますようよろしくお願い申し上げながら終わりたいと思うんですけれども、都市農業の継続のためには、関連局が連携して新たな農地やそれに伴う緑地の保全の工夫を検討し、都でできることは早急に、また、相続税対策を初め、国への働きかけをさらに強くしていくべきと考えます。今後とも一層都庁一丸となって、都市農業とそれが支える農地や緑地が保全されるよう、力強い運動をしていただきますよう心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。