2007.03.01 : 平成19年環境・建設委員会

◯加藤総務部長

 去る二月二日の当委員会におきましてご要求のありました資料についてご説明を申し上げます。

 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。

 表紙をおめくり願います。右側の目次のとおり十五項目ございます。

 まず、一ページをお開き願います。1、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。

 平成七年度から十六年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量でございます。

 下の(注3)にございますように、表の最上段は、京都議定書の基準年である平成二年度の数値を記載しております。

 二ページをお開き願います。2、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移でございます。

 平成七年度から十六年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量でございます。

 表の最上段には、先ほどと同じく京都議定書の基準年である平成二年度の数値を記載しております。

 なお、平成十四年度以降は、(注5)に記載してございますように、原子力発電所の長期停止がありました関係で、二段書きとしております。

 三ページをお開き願います。3、過去五年の真夏日、熱帯夜の状況でございます。

 平成十四年から十八年までの五年間の東京における真夏日及び熱帯夜の日数でございます。

 四ページをお開きください。4、屋上緑化の実績でございます。

 平成十二年度から十七年度までの各年度における屋上緑化実績の件数及び面積でございます。

 五ページをお開き願います。5、大気汚染濃度の高い測定局の推移でございます。

 まず、二酸化窒素について一般環境大気測定局の状況を記載しております。

 平成八年度から十七年度までの各年度における都内の測定局の上位五局でございます。

 六ページをお開き願います。自動車排出ガス測定局の状況でございます。

 続きまして七ページは、浮遊粒子状物質について一般環境大気測定局の状況を、次の八ページに自動車排出ガス測定局の状況を記載しております。

 九ページをお開き願います。6、大気汚染濃度の高い測定局周辺の道路状況でございます。

 平成十七年度における二酸化窒素濃度の高い自動車排出ガス測定局上位十局の名称、設置場所及び周辺道路の状況を記載しております。

 一〇ページをお開き願います。同じく浮遊粒子状物質濃度の高い測定局に関する状況を記載しております。

 一一ページをお開き願います。7、大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況でございます。

 (1)、大気汚染では、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成状況につきまして、それぞれの表の上段に自動車排出ガス測定局、下段に一般環境大気測定局の状況をお示ししております。

 次に、(2)、騒音では、道路交通騒音、航空機騒音及び新幹線騒音の環境基準達成状況をお示ししております。

 一二ページをお開き願います。8、二酸化窒素に係る環境基準の達成状況でございます。

 上段の(1)が一般環境大気測定局、下段の(2)が自動車排出ガス測定局のおのおのの測定局の設置場所を示しており、環境基準を達成しなかった測定局を黒丸であらわしてございます。

 一三ページをお開き願います。9、米軍横田基地周辺における騒音発生回数の推移でございます。

 平成八年度から十七年度までの各年度における昭島、瑞穂、福生及び武蔵村山の各測定局での年間騒音発生回数及び日最高の回数でございます。

 下の(注2)にございますとおり、日最高とは一年間で最も騒音の発生が多かった日の騒音発生回数でございます。

 一四ページをお開き願います。10、都の施設におけるアスベスト使用状況と対応状況でございます。

 (1)は、設計図書によりアスベストの使用が判明した施設の対応状況でございます。吹きつけ材、保温材別に、吹きつけ材はさらに対策の優先度別に、アスベスト使用箇所数と対策の実施状況を記載しております。

 (2)は、材質分析を行った結果アスベストの使用が判明した施設の対応状況でございます。(1)と同様に、アスベスト使用箇所数と今後の対応を記載しております。

 一五ページをお開き願います。11、自動車のNO x・PM法の規制対象台数でございます。

 平成十八年三月末時点の自動車登録データにより、平成十九年度以降の各年度において、都内登録ディーゼル車のうちNO x・PM法の規制対象となる台数の推計値を記載してございます。

 一六ページをお開き願います。12、緑被率、みどり率の推移でございます。

 まず、(1)、都内の緑被率とみどり率の推移でございますが、昭和四十七年から平成十年までに行った各調査における緑被率とみどり率を記載しております。

 次に、(2)、最新のみどり率でございますが、平成十五年調査の暫定値を記載しております。

 次に、(3)、緑被率の地域別推移でございます。各調査年度における区部、多摩の地域別の緑被率とその経年変化でございます。

 一七ページをお開き願います。13、保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移でございます。

 平成十年度から十九年度までの各年度における数値を記載してございます。

 一八ページをお開き願います。14、保全地域の指定実績でございます。

 最近指定した保全地域名、指定年度、指定内容及び指定面積を記載しております。

 最後に、一九ページをお開き願います。15、建設泥土の排出量等の推移でございます。

 平成九年度から十六年度までの各年度における建設泥土の排出量とその処理の内訳でございます。

 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

◯小磯委員長

 説明は終わりました。

 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び報告事項に対する質疑を行います。

 発言を願います。

◯髙橋かずみ委員

 まず最初に、先日説明がありました平成十九年度予算の概要にあります化学物質対策についてお尋ねいたします。

 私は一昨年の本委員会におきまして、塗料などの溶剤やガソリンなどに含まれる揮発性有機化合物、いわゆるVOCの対策について質問をいたしました。当時、石原知事も、施政方針の中で、これからは残された課題であるVOC排出量削減の取り組みに着手しますと発言されておりました。

 私はかねてから、VOCを含めた化学物質の対策全体について関心を持ってきております。さまざまな化学物質は、便利で快適な毎日の生活を維持する上で欠かせないものとなっております。現在、いろいろな形で流通している化学物質は十万種類ともいわれておりますが、その中には人の健康や生態系などに支障を及ぼすものもあると仄聞しております。

 有害性の高い幾つかの化学物質については、昭和四十年代から法律や都の公害防止条例で規制がなされてきましたが、さまざまな化学物質をすべて規制で対応することは不可能であると思います。

 そのため、平成十一年に法律が制定されて、特定の化学物質については、排出量などの把握や報告を通じて適正な管理を求めた制度が開始されております。

 また、同じ時期に、都も独自の制度として、環境確保条例に基づいて化学物質の適正管理の制度が実施されるようになったと認識しております。

 そこで伺いますが、都が独自の制度として条例により化学物質の適正管理を求めているものは、どのような制度でしょうか。法律による制度との違いを含めてお伺いいたします。

◯石渡環境改善部長

 国におきましては、いわゆる化学物質排出把握管理促進法に基づくPRTR制度がございます。この制度は、人や生態系への有害性があり、かつ環境中に広く存在する三百五十四種類の化学物質について、事業者による自主的な管理の改善を促進するために、環境への排出量と事業所外への移動量をみずから把握し、届け出ることを義務づけたものでございます。

 これに対しまして、都が設けている環境確保条例に基づく化学物質適正管理制度は、人の健康への障害があるなど、性状及び使用状況等から特に適正な管理が必要とされる五十八種類の化学物質を対象として、環境への排出の抑制や有害性の少ない代替物質への転換などを図るため、事業者に対して排出量などをみずから把握し、報告することを求めたものでございます。

 都の制度の対象事業者は、法律よりも小規模の事業者に範囲を拡大しているとともに、報告の項目は、法律項目に加え、管理上必要な使用量、製造量、製品としての出荷量も求めております。

◯髙橋かずみ委員

 今の答弁で、ただ単純に条例が法律の上乗せをするのではなく、特に適正管理が必要な化学物質に限っており、また、把握し報告する義務のある項目について、管理上必要な項目である化学物質の使用量なども含めていることがわかりました。

 先日、二月二十日に、環境局は、事業者からの化学物質の排出削減状況について発表を行いました。これによりますと、条例に基づく化学物質適正管理制度を開始してから五年を経過したことから、平成十七年度までの事業者からの報告結果を業種ごとに分析し、化学物質の排出削減の状況について明らかにしたことであります。

 そこで、この間の排出削減状況について伺います。

◯石渡環境改善部長

 都内全体での化学物質の環境への排出量は、これは対象となる約三千の事業所からの排出量でございますが、制度開始から連続して減少傾向にあり、平成十七年度の年間排出量は五千九百トンで、平成十四年度に比べて二六%減少しております。

 環境への排出量の多い業種についてその削減状況を見てみますと、印刷業の取り組みが特に顕著で、環境への排出量は三年間でほぼ半減してございます。

 事業者の排出削減努力の指標の一つとなる排出率、すなわち使用量に対する環境への排出量の比率についても、印刷業は年々減少しております。

 このほか、化学工業、電気メッキ業、金属製品塗装業などについても、排出量や排出率の減少傾向が明らかになっております。

◯髙橋かずみ委員

 条例による化学物質の適正管理制度によって、排出削減が着実に進んでいることがわかりました。

 条例では、法律にはない使用量なども把握し、報告を求めていることから、排出率、すなわち使用量に対する環境への排出量の比率についても、対象の事業者がみずから把握することができ、排出削減に取り組む目安となっていることは、効果的な制度であると思います。

 ところで、条例対象の化学物質の中でも、光化学スモッグの原因ともなるVOCが排出量の大半を占めていると聞いております。都内における光化学スモッグ注意報の発令は、昨年も十七日と多く、我が地元の練馬区があります区部の西のブロックに限っても、十二日の発令があったと聞いております。

 一昨年に石原知事が施政方針表明された後、都のVOC排出削減の取り組みは進んだものと思われますが、先ほどの条例による制度以外に、具体的にどのようなVOC対策を進めてきているのか、伺います。

◯石渡環境改善部長

 先ほどの都の化学物質適正管理制度に基づく環境への排出量のうち、九九%はVOCでございます。

 この制度で対象にしておりますVOCは三十五種類でございますが、工業などにおいて使用されている代表的なVOCだけでも約二百種類あるといわれてございます。

 このため、平成十七年度からは、条例の制度に加えまして、さまざまなVOC対策を実施してきております。工場や事業所に対しましては、具体的なVOC排出抑制手法をまとめた工場向けのVOC対策ガイドを作成し、周知するなど、自主的なVOC排出抑制を促進させております。

 特に中小企業のVOC排出削減に向けた自主的な取り組みを支援するため、現地に専門家を派遣して工程の改善や原材料の転換などの助言を行うVOC対策アドバイザー制度を設けております。

 ちなみに、この制度は無料でございます。

 また、VOC排出量の約三割は屋外塗装が占めていることから、VOCの排出の少ない塗料に転換するため、屋外塗装のVOC対策ガイドを作成し、事業者の自主的な取り組みを促しております。

 特に東京タワーや高速道路など公共性の高い構造物等につきましては、管理者に低VOC塗料、いわゆるVOCの少ない塗料の使用を要請し、その率先した取り組みを公表することによって重要性をアピールしながら、低VOC塗料の一層の普及を図っております。

◯髙橋かずみ委員

 VOCは、工場や事業所から排出されるだけではなく、建築物の外壁塗装や橋梁などの塗装といった屋外での塗装などからも排出され、そういったさまざまな対象に対してきめ細かなVOC対策が行われていることがわかりました。

 さて、本定例会の施政方針表明では、石原知事が、十年後の東京の姿を一言でいいあらわせば、緑と澄んだ空気の快適な大都市東京であると述べておられました。

 これまでの都の化学物質対策は、国と比べて適正管理の制度が充実しているだけでなく、VOC対策についても具体的なものを進めていますけれども、光化学スモッグなどの問題はまだ残っております。そのため、VOC対策を初めとした化学物質対策について、さらに強化、充実を図っていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

◯石渡環境改善部長

 対策の充実強化についてでございますが、VOCの屋外塗装対策におきましては、公共性の高い事業者として、現在、民間鉄道事業者に対してもセミナーを開催するなど、低VOC塗料の使用の促進を図っているところでございます。

 また、新たな取り組みといたしましては、化学物質の排出量が地域によって大きく異なることから、都内全体での排出量の低減とともに、地域の特性に応じた環境リスクの低減策も検討しているところでございます。

 具体的には、複数の事業者と地域住民がコミュニケーションを図り、環境配慮のまちづくりを進める中で、環境リスクを低減していくモデル事業の実施を予定してございます。

 しかしながら、ご指摘のように、十年後における快適な大気環境を実現するためには、VOC対策の充実や化学物質による環境リスクの一層の低減が必要であることから、今後、化学物質対策のさらなる強化充実に向けた検討を進めてまいります。

 なお、その内容につきましては、来年度改定を予定しております東京都環境基本計画の中で示していきたいと考えております。

◯髙橋かずみ委員

 オリンピックを東京に招致して十年後に大会を実現する上でも、澄んだ空気の快適な東京としていくことはとても重要なことでありますし、都民がそれを実感できることが何よりも大切であります。ぜひ改定される東京都環境基本計画の中で、十年後の快適な大気環境の実現が確実に図れるようしっかりとした施策を示していただくことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 次に、地球温暖化対策推進基金条例に関連してお尋ねいたします。

 さきの本会議の一般質問で、私は、環境の視点から農地を保全することについて、この新たに設置される基金の活用について取り上げましたが、改めてお聞きいたしたいと思います。

 そこで、まず伺いますが、地球温暖化対策推進基金を設置する意義についてお伺いいたします。

◯大野企画担当部長

 都は、「十年後の東京」で示しました世界に誇れる先進的な環境都市の実現に向けまして、カーボンマイナス東京十年プロジェクトと緑の東京十年プロジェクトの二つのプロジェクトを、都の総力を挙げて展開していくことにいたしました。

 この基金は、これらのプロジェクトに対しまして安定的な財源投入を行うことによりまして効果的な施策展開を可能とするために設置されたものでございます。

◯髙橋かずみ委員

 これまで以上に積極的な地球温暖化対策を行うことに期待しております。

 さて、この地球温暖化対策として取り組む事業としては、省エネルギー化の推進や再生可能エネルギーの導入拡大といったCO2の排出削減に直接寄与する施策もそうでありますが、私が本会議でも指摘したとおり、屋上や壁面緑化、校庭芝生化に加え、農地の保全という取り組みによって緑をふやすことも、ヒートアイランド現象の緩和という観点から、地球温暖化対策として大きな意義があると思います。

 考えてみると、都庁の各局が行う事業の中には、非常に広い分野の多種多様の事業があると思います。そこで、この基金をどのような事業に充当するのか、伺います。

◯大野企画担当部長

 都は、本年一月末に二つの推進本部を設置いたしまして、この二つの十年プロジェクトの具体化を今後進めていくことにしております。

 地球温暖化対策推進基金につきましては、集中的、重点的な財源投入によりまして、積極的な施策展開が見込まれる事業に活用してまいります。

◯髙橋かずみ委員

 今後、具体化されるということでありますが、スピード感を持ってぜひとも積極的に施策を展開していただきたいと思います。

 しかし、これらの事業の展開には非常に多くの経費がかかるのではないかと思います。例えば、来年度から都内の全小中学校を対象に実施する校庭芝生化だけをとっても、私がちょっと計算してみるだけでも、びっくりするような金額になるわけであります。

 基金は五百億円ということでありますが、校庭芝生化も対象となると、これだけで基金を使い切ってしまうのではないかと危惧していますが、見解をお伺いいたします。

◯大野企画担当部長

 十年プロジェクトの全体像は、今後、各局からの事業提案なども踏まえまして、来年度予定をしております環境基本計画の改定とあわせて取りまとめることになっております。

 十年プロジェクトの具体化に伴いまして必要になる事業費につきましては、適切に予算措置がされるものと考えております。

◯髙橋かずみ委員

 ぜひ温暖化対策の着実な推進のために適切に予算措置をしていただきたいと思います。

 しかし、温暖化対策の取り組みというのは緒についたばかりであり、全庁一丸となって、また都民、企業も巻き込んで進めていくためには、まさに安定的な財源として必要であり、この地球温暖化対策推進基金の積み増しも必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

◯大野企画担当部長

 基金の今後の積み増しでございますけれども、これにつきましては、必要性が生じまして条件が整えば、その段階で積み増しが行われるものと、環境局としては大いに期待をしているところでございます。

◯髙橋かずみ委員

 最後に、医療廃棄物の不法投棄対策についてお尋ねいたします。

 医療廃棄物、特に感染性廃棄物は、不適正処理や不法投棄などが行われると、環境に対し重大な影響を及ぼしかねないと思います。

 このため、私は、昨年十一月の当委員会の事務事業概要質疑において、廃棄物の処理業者が動物病院や診療所などから収集した注射針などの感染性廃棄物を都内のコンテナボックスに長期間放置した事件を取り上げました。そこで、感染性廃棄物の不適正処理は、あってはならないことであり、都としても的確な対策をとるべきだと強く要望をいたしました。

 その後、都は十二月に、廃棄物の適正処理を図る観点から、この業者に処理を委託していた動物病院や診療所を対象に、緊急に現場に出向き、確認調査を実施したと聞いております。実際に医療機関への調査を行って、廃棄物の処理の実態はどうだったのか、まず、お伺いいたします。

◯森廃棄物対策部長

 この事件につきましては、廃棄物の適正処理の観点から迅速に対応する必要がありましたことから、直ちに十二月に臨時の調査チームをつくりまして、当該業者に処理を委託した動物病院や診療所など、小規模な約三百の医療機関を対象に調査を開始いたしました。

 これまでに約百八十件の調査を実施し、三月末までにはすべての調査を終了する予定でございます。

 現地での調査からわかりました廃棄物の管理状況につきましては、昨年の事件の当時、法で義務づけられている書面での契約をしていたのは当該医療機関の約三割、マニフェストの戻りを確認していたのは約一割にすぎませんでした。

 しかし、調査の時点では既に処理業者も変わっておりまして、書面での契約をしていたのは約九割、マニフェストの戻りを確認していたのは約八割と、大幅に改善されていました。

 なお、改善が不十分でありました医療機関につきましては、現地においてきめ細かく是正指導を行ってまいりました。

◯髙橋かずみ委員

 今回の事件は、動物病院や診療所など小規模な医療機関が不適正な処理業者とはわからずに委託したため、いつの間にか不法投棄事件に巻き込まれてしまったというのが実情だと思います。しかし、ただいまの調査の結果を伺うと、事件の背景には、これらの医療機関に危険な感染性廃棄物を排出しているという認識が薄かったという状況があることもわかりました。

 今回のリストに掲載されていた医療機関については、都の指導などにより改善されたようでありますが、都内の医療機関は、診療所、歯科診療所、動物病院、約二万五千近くもあると聞いております。

 これまで都は、廃棄物の適正処理に関する啓発活動については、パンフレットの配布などのほかは、医師会と共同で、年一回、会員を対象とした講習会を開いてきたのみと仄聞しております。

 私は、書面での契約の意義やマニフェストによる適正な管理の必要性など、排出者としての責任と役割について、今まで対象としてこなかった動物病院や歯科診療所に対しても講習会を実施していくべきだと思います。

 また、講習会の実施に当たっては、東京都全域を幅広くカバーするため、都内の医師会、歯科医師会、獣医師会のすべての地区、ブロックごとに行うことが極めて重要だと考えます。

 ぜひこれまで以上の取り組みを行っていただきたいと思いますが、都の考え方をお伺いいたします。

◯森廃棄物対策部長

 今回の事件につきましては、表面にあらわれた処理業者の違法行為だけではなく、医療機関が排出者に求められている責任を十分に果たしていなかったという背景がございます。このため、事件後直ちに、三医師会に対しまして、会員に排出者責任を徹底するよう文書で通知いたしました。

 また、今年一月には、三医師会等の代表者を招集して不法投棄対策会議を開催し、より一層適正処理の確保に向けて連携して取り組むことを確認いたしました。

 直接、医療機関に対しましては、排出者としての責任と適正処理を徹底するため、新たに動物病院や歯科診療所を対象に加え、本年夏ごろまでに、ご指摘のとおり、都内に約百三十あります三医師会のすべての地区ブロックにおいて講習会を実施し、法令の遵守や排出者責任の徹底を図ってまいります。

◯髙橋かずみ委員

 排出者としての責任や役割の周知徹底について引き続き努力し、しっかりと定着させていただきたいと思います。

 これとともに、感染性廃棄物の適正処理を持続させていくためには、排出から輸送、処理の過程の中で、不法投棄につながらないような仕組みを導入する必要があると私は考えます。

 都と東京都医師会は、廃棄物の容器にICタグを張りつけ、医療機関から処理施設まで、感染性廃棄物の容器を個々に追跡管理する先駆的なシステムの普及を進めていると聞いております。この追跡管理システムが都の全医療機関に普及していれば、今回の事件のような不法投棄事件は起きなかったのではないかと思います。

 感染性廃棄物の不法投棄事件についての記憶が新しく、各医療機関の適正処理に対する関心が高まっているこの時期こそ絶好の機会でもあります。関係団体や医療機関数も多いため、実現に向けてはさまざまな課題があると思いますが、都は、三医師会とも連携し、この追跡管理システムの普及にこれまで以上に積極的に取り組むべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

◯森廃棄物対策部長

 感染性廃棄物の適正処理を確保していくためには、関係団体ごとの状況に対応いたしまして、追跡管理システムを導入し、普及させることが極めて有効な手段であると考えております。

 このため、先行して取り組んでいる医師会におきましては、追跡管理システムを全四十五地区のうち既に葛飾区など七地区で導入をしておりますが、引き続き医師会と協力いたしまして、都内全域への早期拡大に取り組んでまいります。

 また、現在未実施の歯科医師会、獣医師会におきましては、地区ごとに行う講習会を活用いたしまして、追跡管理システムの効果、利便性についても強く訴えまして、このシステムの導入を積極的に促してまいります。

 なお、大規模病院におきましては、臨海部におけるスーパーエコタウンの処理施設などを通しまして、現在六十病院で追跡管理システムによる管理が行われておりますが、今後さらに拡充を図ってまいります。

 このシステムの構築を進めるためには、必要な調整などいろいろな課題もございますが、三医師会との対策会議の場や、四月に策定予定の適正処理を目指したガイドラインを活用することなどによりまして、追跡管理システムの普及拡大に積極的に取り組んでまいります。

◯髙橋かずみ委員

 私は、二万五千の医療機関を対象に追跡管理システムのような新しい取り組みを普及拡大していくためには、排出者としての自覚が高まりつつあるこの時期を失してはならないと思います。全国に先駆けて都がこのような取り組みを積極的に進めていくことは、感染性廃棄物の適正処理の一層の推進に極めて重要な意義があると考えます。

 都の今後の取り組みに期待しつつ、最後に局長の決意をお伺いして、質問を終わらせていただきます。

 

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