2008.03.11
東京都議会予算特別委員会速記録第二号〔速報版〕 【ページ1】

〇三宅委員長
  休憩前に引き続き委員会を開きます。
 委員会の要求資料について申し上げます。
 先ほど委員会として要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 これより総括質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご了承をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審議が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
 なお、持ち時間につきましては、電光表示盤に残り時間を表示いたします。さらに、振鈴で五分前に一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑持ち時間はお守り願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、委員の質疑時間も限られておりますので、短時間で明快に答弁されるようお願いいたします。
 なお、各局長に申し上げます。
 発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 髙橋かずみ理事の発言を許します。

〇髙橋かずみ委員
  東京都議会自由民主党を代表いたしまして、予算特別委員会総括質疑を行います。
 最初に、行財政運営の基本的な考え方についてお尋ねいたします。
 平成二十年度は、「十年後の東京」の実現に向けて本格的スタートを切る最初の年であります。これから数年間にわたる集中的な取り組みが、未来を展望する施策の苗をしっかりと根づかせ、育てていくために極めて重要であります。
 都財政を取り巻く環境は、景気の減速や法人事業税の暫定措置に伴う減収により、今後一層厳しさを増すことが予想されます。そうした中でも施策展開の手を緩めることなく、むしろアクセルを踏み込むぐらいの決意を持って臨まなければなりません。
 そのような中で発表された二十年度の当初予算でありますが、これは、十九年度最終補正予算と一体的に編成されているとのことであります。まずは、今回の予算の特徴について伺います。

〇村山財務局長
  お答えいたします。
 今回の予算は、都財政を取り巻く環境が厳しさを増す中にあっても、「十年後の東京」の実現など、東京の将来を見据えた取り組みを加速させる課題と、中長期的にその取り組みを安定的に実施する基礎をつくる課題、この二つをともに達成することをねらいとして編成いたしました。
 そのため、二十年度予算では、「十年後の東京」への実行プログラムに掲げた施策の積極的展開を図るとともに、都民生活が直面する課題に積極的に取り組んでおります。また、更新期を迎える大規模施設の改築、改修を本格的に開始すると同時に、これを計画的に進めるための基金の充実など、財政構造の弾力性を高める取り組みにも力点を置いております。
 また、十九年度最終補正予算では、新たに、法人事業税の暫定措置に伴う減収に対処するための特別基金を設置いたしまして、歳入歳出両面にわたる洗い出しにより確保した財源を全額積み立て、いかなる状況変化のもとにあっても必要な行政水準を確保できるよう、可能な限りの措置を講じたところでございます。
 二十年度予算と十九年度最終補正予算をこのように一体的に編成することで、積極的な施策展開を図る攻めと、それを支える備えの両面の取り組みを兼ね備えた予算としたものでございます。

〇髙橋かずみ委員
  施策展開の積極性と財政基盤の強化の堅実性を兼ね備えた予算だと認識いたしました。
 この予算を通して、財政再建の時代を乗り越え、新しいステージを迎えた都財政にとって、今後かぎとなる事柄を三つの点から明らかにしていきたいと思います。
 まず、先ほどの答弁にもあったように、今回の予算における特徴の一つは基金であります。
 十九年度最終補正予算で法人事業税国税化対策特別基金に二千百八十五億円、二十年度当初予算でも社会資本等整備基金に二千五百億円など、基金の積み立てが目立ちます。豊かな財源を基金で抱え込むのではなく、速やかに都民に還元すべきだと主張する向きも一部には見られますが、十年後というロングスパンで積極的な施策展開を進めようというとき、それを持続的に支え得る財政面の体力を十分に蓄えておくことが極めて重要だと考えます。
 そこで、基金の現状について、認識と今後の方針について伺います。

〇村山財務局長
  地方交付税の不交付団体である都が、だれにも頼ることなく、中長期的な視点から積極的な施策展開を行うとともに、大幅な税収減により財源が不足した場合においても、必要な行政水準を確保していく上では、基金は大変重要な役割を果たすものでございます。こうした考え方から、今回の予算では、可能な限り各種基金の充実を図っております。
 とはいえ、都財政が、財源面からは、わずか三年で都税が一兆円も減収するという構造的な特徴を持ち、需要面では、大規模施設の改築、改修需要だけで、今後おおむね十年間でおよそ八千億円も見込まれる点などを考慮すれば、現状の基金残高ではまだまだ十分な水準とはいえないというふうに認識しております。
 したがいまして、基金につきましては、今後とも一層充実するとともに、あわせて起債余力の拡大など、さまざまな財政面での工夫を重ねながら、「十年後の東京」の実現に向けた取り組みを安定的、継続的に実施できるよう、都財政の体力をさらに蓄えてまいります。

〇髙橋かずみ委員
  財政環境が厳しさを増す中で、施策展開のアクセルを踏み続けるために、引き続き財政基盤の強化に努めていただきたいと思います。
 二点目でありますが、今回の一般会計予算には、大規模施設の改築、改修の経費として六百二十億円が計上されています。我が党は、かねてから、都が所有、管理する大規模施設の改築、改修の必要性を主張してきましたが、その取り組みに当たっては、全体としての理念や方針のもと、取り組みの優先順位や手順を明らかにするプランを持って臨むべきであります。
 そこで、都が所有、管理する大規模施設等の改築、改修を今後どのように進めていくのか、伺います。

〇村山財務局長
  東京都の所有、管理する大規模施設は、その多くが、高度成長期と一九九〇年代という二つの時期に集中的に整備されておりまして、おのおの建物の改築や設備の改修が必要な段階に差しかかっております。
 しかし、改築、改修の際には、単に古くなったから施設をつくり変えるというのではなく、これまで施設が担ってきた事業自体の必要性を再点検するとともに、必要だとされた施設につきましても、集約化や容積率の最大活用など、資産効率を最大限に高める工夫を行い、改築、改修の取り組みを、都政のありようを新しい段階に引き上げるてことすることが重要であると考えております。また、安全・安心や環境、さらにはまちづくりなど、多面的な施策効果を追求する取り組みもあわせて実施することも欠かせないと考えております。
 このような観点から、今般、大規模施設等の改築、改修に関する実施方針を取りまとめ、各局に示しました。この方針に基づきまして、今後、各局との連携のもとに、主要な大規模施設について、二十年度中に改築、改修計画を策定いたしまして、お話しのように、優先順位や手順を明確にしながら、計画的に改築、改修に取り組んでまいります。

〇髙橋かずみ委員
  改築、改修は息の長い取り組みでありますが、大事なことでありますので、効果的に取り組んでいただきたいと思います。また、近々、東京の都市インフラも一斉に更新期を迎えることも考え、道路や橋など、他の分野についても計画的な取り組みを進めていくよう要望しておきます。
 三点目は、施策の中身であります。
 施策は、都政の現場で実際に実行され、効果を上げて初めて意味を持つものとなります。困難な課題解決に向け、道筋をつけるのが施策の役割であり、実効性ある施策を組み立てて、むだを省き、より高いレベルに磨き上げていくことが新しい時代の予算編成ではないでしょうか。
 財政当局においても、新たな公会計制度の導入など、意欲的な試みを取り入れているようでありますが、施策の実効性を担保するため、今回の予算編成で具体的にどのような取り組みがなされたのか、伺います。

〇村山財務局長
  施策の実効性を高めていくためには、その事業の実施結果をつぶさに点検いたしまして、現場でどんな問題が生じているのか、それはどうすれば解決できるかという視点を持って、施策を継続的にブラシアップしていくことが必要だと考えております。
 こうした観点に立ち、今回の予算編成では、事務事業評価を予算編成の一環として明確に位置づけまして、新たな公会計制度も活用しながら、きめ細かい事後検証を実施し、検証結果を予算に反映させ、次の事業展開をより効果的、効率的なものにしていく仕組みの充実を図っております。
 その中で、例えば、システム再構築の投資判断を行うに際して、発生主義に基づく試算を取り入れたコスト比較を行い、判断材料としてこれを役立てるなどの成果が生まれてきております。また、施策を所管する各局の自律性を支え、創意工夫を生かすための取り組みも取り入れました。
 今回の予算編成から開始したこうした取り組みを今後一層定着させ、強化することによりまして、予算編成過程を通じて継続的に施策の実効性を高めていくよう努力してまいります。

〇髙橋かずみ委員
  今後の都財政には、「十年後の東京」を目指す都政を財政面から支えるという、財政再建期とは違うものが求められていると思います。今回は、これからの財政運営においてかぎとなる三つの点について指摘させていただきましたが、実務を実際に担っている財務局長の所見を伺います。

〇村山財務局長
  財政再建期におきましては、膨大な財源不足に対処するため、いかに歳出総額を切り詰めるか、この点が財政運営上避けがたいテーマでございました。その結果、施策の優先順位づけにおいても、どうしても実施しなければならない事業を厳選するというスタンスを実務の上では重視せざるを得ない面がございました。
 財政再建の長いトンネルを抜けまして、都政が「十年後の東京」の実現という中長期の目標に向かって走り出した今日の財政運営におきましては、今後の環境変化の中にあっても、この課題遂行を財政面からいかに支えるかという、より攻勢的なテーマに軸足を置くべき段階に来ているというふうに考えております。
 そのためには、財政規律の保持という基本を堅持することはもとよりとして、さらに、都が実施している、あるいはしようとしている諸施策について、東京の置かれた複雑な状況の中でその施策目標を達成し得るよう、関連する事業を常にバージョンアップしていくことが求められております。
 財政運営の実務を担当する者といたしましては、こうした観点に立って、お話しいただきました財政面の体力の蓄積、トータルな事業プランの確立、施策の実効性の確保という三つの点を肝に銘じまして、新しいステージを迎えた都政を支えるにふさわしい財政運営の姿を目指してまいります。

〇髙橋かずみ委員
  これまで石原知事は、多くの困難を乗り越えて都政を導いてきました。がけっ縁にあった都財政を今日の状況まで立て直したことは、その最大の功績の一つであります。
 今回の予算は、財政再建をなし遂げた知事が、「十年後の東京」という近未来図を掲げて新たな一歩を踏み出した節目の年の予算であると思いますが、今後の都政の展開に向けた知事のお考えと決意を伺います。

〇石原知事
  ちょっと風邪ですか花粉ですか、わからぬのですが、声が聞き苦しくて申しわけありません。
 九年前の知事就任当時、都財政は破綻寸前でありました。以来、都議会の皆様のご協力を得て、塗炭の苦しみを重ねながら財政再建を目指して、何とか脱出を果たすことができたと思います。
 もとより、財政再建というのは、それ自体が目的ではありませんで、次のある新しい目的のための必要条件の整備でありますが、これによって得られた都財政の力を、東京の新しい時代を切り開く取り組みに生かしてこそ、苦労の意味があったと思います。
 「十年後の東京」というプランをつくりましたが、これは、東京を二十一世紀の新しい都市モデルへと高めていくための基本的な設計図でありまして、この設計図を実現するためにこそ、財政再建で培った力を存分に生かし、二十年度予算を新たな起点として積極果敢に都政の展開を果たしていきたいと思っております。

〇髙橋かずみ委員
  次に、東京の魅力の世界への発信と国際貢献についてお尋ねいたします。
 先日の東京マラソンは大成功でした。三万人を超えるランナーのほとんどが完走し、事故もなく、選手と観衆とボランティアが一体となった大会は、東京の大規模競技会の運営能力の高さを世界に示すものであり、この成功を二〇一六年オリンピック・パラリンピックの招致につなげたいと思います。そのためには、オリンピック招致の意義を都民、国民にしっかり理解してもらい、招致機運の醸成に努める必要があります。
 しかし、最も重要なのは、オリンピックの後に何が残るかということであります。一九六四年の東京オリンピックは、敗戦から立ち上がった日本人の気持ちに光明を与えるビッグイベントでありました。首都高速道路や地下鉄など交通インフラの整備や、二十三区内の下水道整備など、大改造が行われました。また、駒沢オリンピック公園総合運動場や国立代々木競技場など、スポーツに親しむ環境も整備されました。
 招致機運をさらに高めるためには、オリンピック・パラリンピックがどのような遺産を残すのか、広く訴えていく必要があると考えますが、大会開催によって東京に何がもたらされるのか、伺います。

〇荒川東京オリンピック招致本部長
  オリンピック・パラリンピックの開催は、さまざまな効果をもたらします。
 第一に、非常に大きな経済効果、具体的には、全国で二・八兆円、都内で一・六兆円の経済効果が期待されます。
 第二に、青少年が選手の活躍や精神力のたくましさに触れることで、未来に夢と希望を抱く大きな機会ともなります。
 第三に、選手だけでなく、子どもから高齢者、障害者など、多くの人々が競技を楽しみ、交流することで、すべての人々に優しい平和な社会の実現に貢献いたします。
 第四に、数々の感動を生んだ競技会場が、大会後もスポーツ、文化の拠点として都民、国民に利用されることにより、健康な社会づくりを推進することにもなります。
 第五に、緑豊かな競技会場の整備や最先端技術を駆使した大会運営によりまして、地球環境を大切にした水と緑の美しい東京を復活させるなど、都政が目指す「十年後の東京」の実現を加速させるものとなります。
 さらに、これらに加えまして、招致段階からオリンピックムーブメントを展開することで、次代に引き継ぐ遺産はより大きくなると考えます。

〇髙橋かずみ委員
  さて、オリンピックに関する予算は、開催概要計画書で招致経費五十五億円だったものが、招致経費を含む招致推進活動経費として百五十億円となっています。積極的な招致活動を行うためには予算を充実する必要があると考えますが、百五十億円の内訳はどうなっているのか、伺います。

〇荒川東京オリンピック招致本部長
  招致に係る経費についてですが、国内選定用に策定いたしました開催概要計画書の段階では、ロンドンなどの海外都市の申請ファイルに掲載された額を参考に、ほぼ同額の五十五億円を招致経費として計上いたしました。
 今回お示ししました百五十億円は、国内選定後から来年の開催都市決定までの約三年間における都と招致委員会を合わせた全体経費を招致活動推進経費として改めて積算したものでございます。
 その内訳は、第一に、熾烈な国際競争を勝ち抜き、招致を実現するための計画策定及び国際招致活動に要する招致経費として五十五億円、第二に、区市町村、全国自治体、スポーツ団体等と連携し、スポーツ、教育、文化、環境学習等と結びつけまして、オリンピズムを幅広く普及啓発するためのオリンピックムーブメント推進経費として九十五億円でございます。

〇髙橋かずみ委員
  また、オリンピックムーブメントを充実強化するという観点から、オリンピック招致委員会に対する補助が計上されております。一部には、当初、民間から調達する予定だった資金が集まらないため、都からの補助を導入するのだという的外れな指摘をする向きがあるようでありますので、改めてお聞きいたします。
 オリンピック招致委員会では、七十五億円の歳出に対し、民間から五十億円を調達するとしていますが、都の補助を充当する事業の性格と現在の民間資金調達の見込みについて伺います。

〇荒川東京オリンピック招致本部長
  まず、民間資金についてでございますが、これまで、アシックス、デサント、ヤフー、TBCグループ、大塚商会等の企業や経済界などに対しまして支援を要請してまいりましたが、その結果、現時点における支援の額は合計で約三十一億円でございます。さらに、現在、多くの企業、団体などからの支援の意向を受けており、予定の民間資金は十分調達できるものと確信しております。
 また、招致委員会に対する都の補助は、オリンピックムーブメントをより効果的、効率的に行うために実施するものでございまして、一部にあるように、民間からの資金が集まらないから補助するものではございません。
 対象となる事業は、具体的には、第一に、都民を対象に行うオリンピック・パラリンピックの開催意義の周知やオリンピズムの普及啓発など、都の役割を代替して行う事業、第二に、全国を対象に行うオリンピズムの普及啓発や、「十年後の東京」が目指す新しい都市モデルの発信など、都の施策を補完する事業などでございます。
 なお、国際招致活動に要する経費は、民間資金を充当することといたしまして、都の補助の対象とはいたしません。

〇髙橋かずみ委員
  既に調達予定額の六割を超える額についてのめどが立っているということであります。また、民間からの資金が集まらないから補助をするのだという指摘も、間違いだということがよくわかりました。
 今後、熾烈な都市間競争を勝ち抜くためには、国やJOCなど関係機関と連携して、質の高い立候補ファイルを策定するとともに、国の内外でオリンピックムーブメントを広く展開していく必要があります。
 二十一世紀のオリンピック開催においては、スポーツ、環境、文化がオリンピックムーブメントの貴重な要因であり、二〇一二年のロンドン・オリンピックは、文化面で評価を得たことも招致成功の要因だと聞いております。今後、東京の文化面での国際的評価を高めていくためには、これまでの手法にこだわらない新たな発想が重要であります。
 都は平成二十年度から、約十二億円の予算を活用して、東京ならではの文化事業を、伝統芸能、演劇、音楽などの分野から大規模な文化プロジェクトとして実施すると伺っております。
 そこで、このプロジェクトでは具体的にどんな事業を展開するのか、伺います。

〇渡辺生活文化スポーツ局長
  大規模文化プロジェクトでは、芸術文化の創造、発信、子どもたちの育成の二つの視点から、さまざまな分野において事業を展開してまいります。v  例えば伝統芸能分野では、都内の庭園において流派を超えた大規模な茶会を催し、日本の美意識ともてなしの心を多くの都民に堪能していただくとともに、海外からの観光客にもアピールしてまいります。
 また、子どもたちが、能や狂言、日本舞踊、邦楽などの芸術文化を体験、創造できるプログラムにつきましては、規模を大幅に拡大し、実施してまいる所存でございます。

〇髙橋かずみ委員
  東京には伝統と最先端とが織りなす魅力的な文化が存在します。これを世界に発信するには、都内での取り組みだけではなく、実際に海外で東京の文化的な魅力を多くの人に知ってもらう取り組みが不可欠と考えます。
 海外での公演活動等には、国内以上に費用がかかりますから、それに対する十分な資金的な支援がないと実現できません。東京のすばらしい文化を世界に知らしめるためには、海外に向けて発信する活動に対してこれまで以上に支援していく必要があると思いますが、所見を伺います。

〇渡辺生活文化スポーツ局長
  これまで都におきましては、東京を代表する質の高い芸術活動に対して助成してまいりました。
 来年度は、助成金の規模を総額で二千万円から六千万円に大幅にふやすとともに、東京の芸術文化を海外に紹介する事業などにつきましては、一事業当たりの助成金額の上限を二百万円から四百万円に引き上げる予定でございます。江戸開府以来四百年の歴史がはぐくんだ東京の魅力的な文化を世界へアピールしてまいります。

〇髙橋かずみ委員
  都は、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八で、アジアの将来を担う高度な人材の育成施策を掲げています。
 アジア地域は、近年、経済成長が著しく、世界における存在感を高めています。また、グローバル化の進展で、アジア各国の相互依存関係はますます強くなっており、環境問題や感染症対策など、大都市共通の課題は国境を越えて他国にも大きな影響を与えるようになっております。
 アジアの大都市に共通する課題の解決には、優秀な人材の育成や確保が不可欠であります。また、東京がアジアのリーダーとしてアジアの人材育成に積極的に取り組むことも期待されております。都はアジア人材育成基金を設置することとしていますが、基金を設置する意義について伺います。

〇大原知事本局長
  今後、世界の中でアジアが一層発展するためには、東京を初め、アジアの頭脳部、心臓部である大都市が連携をいたしまして、直面するさまざまな課題の解決を図ることが重要でございます。人材育成はそのかなめとなるものでございます。
 都は、アジアの人材育成におきまして、東京に集積する知識や技術力を生かし、先導的な役割を果たすことが求められております。また、人材育成は、長期的視点に立ち、安定的、継続的に取り組むことが不可欠でございます。このため、今後十年間に展開する人材育成施策を見通して、新たに七十億円の基金を設置することとしたものでございます。

〇髙橋かずみ委員
  基金を活用して、長期的、継続的な視点で人材育成を行うとのことでありますが、具体的にはどのような施策を展開するのか、伺います。

〇大原知事本局長
  基金を活用した人材育成施策といたしましては、まず、都市づくりや上下水道等、都政のさまざまな分野におきまして、十年間で約五百名の行政職員を受け入れまして、研修を実施いたします。
 また、感染症対策や災害救助等につきまして、アジアの都市で実例を学び、あるいは、現地のニーズに合わせた技術指導を行うために、専門家の派遣や共同研究を新たに実施いたします。
 さらに、首都大学東京博士課程等に十年間で約五十名の留学生をアジアから受け入れまして、高度先端的な研究を行いますとともに、奨学金の支給ですとか、あるいは住居の確保等の生活支援を行ってまいります。

〇髙橋かずみ委員
  アジアの将来を担う人材の育成に、積極的な展開を期待したいと思います。また、留学や研修が終了したからそこで終わりということではなく、育成した人材が将来にわたって東京とのつながりを継続しつつ、アジア各地で活躍することが重要であります。
 都では、受け入れた留学生や専門家のデータベースとして、アジア人材バンクを設置するとのことでありますが、この人材バンクをどのように活用していくのか、伺います。

〇大原知事本局長
  アジア人材バンクでございますが、これは東京で受け入れた人材の情報を登録・管理するものでございまして、初年度はおよそ三百名の登録を予定しております。
 登録者に対しましては、ウエブマガジンによりまして、アジア諸都市が抱える課題ですとか、あるいは施策の最新情報を定期的に発信をいたします。また、蓄積いたしました人材情報を、専門分野ごとのメーリングリストによる情報交換や、あるいは専門家の紹介などに役立ててまいります。
 これらの取り組みを通じまして、アジアの人材が持つ知識や経験が地域を越えて共有されまして、活用されることを目指してまいります。

〇髙橋かずみ委員
  次に、都民生活の安全・安心の確保についてお尋ねいたします。
 まず、災害時の対応でありますが、震災発生時に迅速かつ的確に応急対策を実施するには、正確な情報を速やかに収集し、活用することが重要であります。
 そのためには、情報技術の活用が不可欠と考えます。昨年の新潟県中越沖地震でも、新潟県が情報技術を活用し、応急復旧対策をスムーズに進めたと仄聞しております。
 都は、既に災害情報システムの導入などを先進的に進めてきましたが、「十年後の東京」への実行プログラムでは、新たな災害情報システムを開発するとしております。これは、災害時の対応力を一層強化するためだと考えますが、現在のシステムにどのような問題があるのか、またどう強化されるのか、伺います。

〇押元総務局長
  現行の災害情報システムは、通信容量やプログラム上の限界によりまして、映像や画像を被災現場から直接送ることができず、また、個々の情報を合成して一画面に表示できないなどの制約がございます。
 このため、新しいシステムでは、消防職員などが撮影した被災現場の画像を取り込めるようにいたしますとともに、送られてきた被害情報や救出支援部隊の活動情報など、複数の情報を一つの地図上に表示できるようにいたします。
 このシステムの支援を受けることによりまして、救出救助に当たる地域の決定や、優先して復旧すべき地域の選定など、災害対応の意思決定がより迅速かつ的確に行えるようになると考えております。

〇髙橋かずみ委員
  災害発生時の意思決定を支援するシステムは、迅速な救出救助を行う上で大変重要であり、区市町村や防災機関でも活用しやすいものになっていなければなりません。そのためには、開発の構想段階から各市町村などの意見を取り入れ、活用しやすいシステムにすべきであります。
 区市町村がどのように活用できるシステムにするのか、また、今後の開発に当たりどう連携するのか、伺います。

〇押元総務局長
  震災のときに速やかに救出救助活動を実施いたしますには、都と区市町村、防災機関が緊密に連携をいたしまして、迅速かつ的確な判断を行うことが重要でございます。
 このため、新しいシステムでは、各関係機関との間で都が収集した情報の共有化を一層進めますとともに、区市町村等におきましても、必要な情報を地図上に重ねて表示できるようにするなど、活用しやすいものにしたいと考えております。  今後、システムの構想段階から区市町村や防災機関とともに検討を行いまして、本システムが基幹的な、共通の災害情報システムとなりますよう、開発を進めてまいります。

〇髙橋かずみ委員
  次に、中小河川の治水対策について伺います。
 都内の中小河川では着実に治水対策が進み、台風や集中豪雨のたびに水害発生におびえていた過去の状況は、改善されつつあります。
 しかし、近年、一時間一〇〇ミリを超えるような集中豪雨の発生がふえており、平成十七年九月の集中豪雨では、区部西部を中心に、浸水家屋が六千棟にも及ぶ大水害が発生しました。かくいう私も、このときの被害者の一人であります。
 水を治めることは、政治の根幹であります。くしくも、ことしは都内に未曾有の被害をもたらした狩野川台風から、数えて五十年目であります。こうした節目に、都民の命と暮らしを守る治水対策のあり方を、改めて見詰め直すことは重要なことと考えます。
 そこで、まず、都は中小河川について、これまでどのような考え方で、どのように対策を進めてきたのか、伺います。

〇道家建設局長
  河川の整備は、水害から都民の命と暮らしを守ることを目的とし、下流から順次、川幅を広げることを基本に進めております。
 整備計画の策定に当たり、計画降雨を高い水準に設定すると安全性は高まりますが、護岸整備が上流に至るまでに、より多くの時間と費用が必要になります。
 このため、都は、財政状況などを勘案し、多くの流域で整備効果を早期に発現できるよう、計画降雨を定め、その水準を段階的に引き上げてまいりました。
 具体的には、お話の昭和三十三年の狩野川台風を契機として、時間三〇ミリ対策に着手し、昭和五十四年に完了いたしました。この間においても水害が相次いで発生したため、昭和四十四年から計画降雨の水準を上げて、五〇ミリ対策に着手いたしました。
 現在も、下流から鋭意、護岸整備を進めておりますが、河道拡幅による整備が困難な箇所などでは、分水路や調節池などの整備を進め、水害の早期軽減を図っております。

〇髙橋かずみ委員
  河川は下流から順次整備を進める必要があること、また、分水路や調節池の設置などさまざまな工夫で、都市化が進んだ東京の水害を軽減してきたという事情も、よくわかります。
 しかし、これまでのペースで整備を行っていたのでは、一時間五〇ミリの降雨に対応できる護岸の整備でさえ、完成までに数十年かかることになり、一層の工夫が必要であります。
 また、流域の都市化はさらに加速しております。このため、これからは確実に目標年次を決めて、計画的に護岸や調節池の整備を進めていくことが重要であります。
 そこで、現在進められている、一時間五〇ミリの降雨に対する中小河川の整備状況と、整備目標、整備効果について伺います。

〇道家建設局長
  中小河川では、三年に一回の確率で発生する一時間五〇ミリの降雨に対処する護岸などの整備を進めております。
 平成十九年度末の護岸整備率は六二%であり、これに調節池等の効果を加えた治水安全度は、七五%となります。  平成二十七年までに、区部では石神井川、妙正寺川などの十三の河川、多摩では空堀川や鶴見川など十八の河川で、護岸や調節池の整備を重点的に実施してまいります。特に、環七に囲まれた中小河川流域では、五〇ミリ降雨に対する治水安全度を一〇〇%とすることを目標としてまいります。
 これらの対策が完了すれば、過去三十年間に水害をもたらしたものと同規模の降雨による溢水の九割は、解消することが可能となります。

〇髙橋かずみ委員
  一時間五〇ミリの降雨は三年に一回の確率とのことでありますが、一方で、多摩川や荒川などの国が管理する大河川では、二百年に一回の確率の大雨が目標と聞きます。
 現在の中小河川の整備目標は、大河川と比べ、バランスを欠いています。中小河川でも、五〇ミリを超えるような豪雨に対しても十分な備えを講じるべきであると考えます。
 今こそ、五〇ミリ対策の次の段階として、狩野川台風級の時間七五ミリの降雨に備えることも視野に入れた、次期整備目標を明確にすべき時期と考えます。
 そこで、治水対策の根幹となる中小河川整備の今後の展開について、所見を伺います。

〇道家建設局長
  水害から都民の命と暮らしを守るためには、現在実施している五〇ミリ対策を、早期に完了させていくことが重要であります。
 しかし、近年、時間五〇ミリを大きく超える豪雨を要因として、二千棟以上の浸水被害が数年に一度発生しております。
 首都東京においては、地下鉄や地下街などが増加しており、一たび大規模水害が発生した場合には、経済活動に多大な影響を及ぼすばかりでなく、人命にかかわる重大な被害につながるおそれがあることから、より高い安全性の確保が強く望まれております。
 このため、豪雨対策基本方針を策定し、五〇ミリ対応の護岸整備に調節池や流域対策などを加え、七五ミリの降雨に対処する考え方を明らかにいたしました。
 お話の狩野川台風級の七五ミリ降雨を視野に入れた中小河川整備の今後の展開については、この方針を踏まえ、調節池の増設など、河川整備のあり方を検討してまいります。

〇髙橋かずみ委員
  また、都市の浸水を防ぐには、河川と下水道の整備が一体となって、市街地に降った雨を速やかに排除することが基本であります。
 近年は、都市化の進展で地面や道路がコンクリートやアスファルトに覆われ、雨水がこれまで以上に下水道などへ流れ込むようになり、既に下水道が整備されていながら、浸水被害が発生している地域もあります。
 このような状況を踏まえ、これまで下水道局はどのように浸水対策を進めてきたのか、伺います。

〇前田下水道局長
  下水道局では、雨水排除能力の向上を図るため、新たな幹線やポンプ所など、基幹施設の整備を進めておりますが、これらの整備には多くの年月と費用を要することから、一時間五〇ミリの降雨に対応した整備の進捗率は、現在約六割となっております。
 そこで、繰り返し浸水被害が発生している地域では、早期に効果を発現させるため、できるところから、できるだけの対策を行うという方針で、平成十一年度にクイックプランを策定し、平成十六年度には新たに被害を受けている地区を追加いたしまして、新クイックプランとして改定しております。
 クイックプランでは、地形や浸水の発生状況に応じて貯留管やバイパス管の整備を行うなどの緊急的な対応を図ることとしておりまして、既に対策を実施した地域では、浸水被害の軽減効果があらわれております。

〇髙橋かずみ委員
  クイックプランを策定し、浸水の軽減に努めているとのことでありますが、一時間五〇ミリの降雨に対応する雨水整備率は、いまだに六割にとどまっております。  抜本的な浸水対策のためには、幹線やポンプ所などの基幹施設の整備は不可欠であります。基幹施設の整備には、多くの時間と費用がかかります。一層の工夫をして、効率的な整備を図るべきではないでしょうか。
 そこで、今後、基幹施設の整備にどのように取り組んでいくのか、伺います。

〇前田下水道局長
  東京都豪雨対策基本方針におきましては、浸水予想区域図に基づきまして、浸水の危険性の高い地区や、くぼ地坂下など地形的に被害を受けやすい地区を、対策促進地区として選定いたしました。
 下水道局では、これらの地区に重点化いたしまして、幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を効果的に推進し、今後十年間で一時間五〇ミリの降雨に対応できる対策を完了させる予定でございます。

〇髙橋かずみ委員
  また、特に地下街などがあり、浸水被害の危険性が高い地区では、現在の五〇ミリ計画にこだわらず、積極的な対策が必要と考えますが、所見を伺います。

〇前田下水道局長
  ご指摘のとおり、浸水が発生した場合に重大な被害を生じる危険性が高い地下街などでは、積極的な浸水対策を実施していく必要がございます。
 下水道局では、地下街などの対策として、一時間七〇ミリの降雨に対応できる施設の整備を進めておりまして、これまで、渋谷駅及び新宿駅周辺で対策が完了しております。  引き続きまして、現在整備中である池袋駅周辺などの対策を早期に完成させるとともに、新たに東京駅丸の内地区周辺でも対策を進め、安全性の向上に努めてまいります。

〇髙橋かずみ委員
  二〇一六年オリンピック開催の夏は、集中豪雨の時期であります。大水害に見舞われた東京の姿を世界に報道されることのないよう、河川と下水道の整備が一体となって浸水対策に万全を尽くされるよう、強く要望しておきます。
 次に、健康危機管理対策についてお尋ねいたします。
 まず、新型インフルエンザ対策でありますが、その発生は、今や時間の問題と、多くの専門家が指摘しております。国内に新型インフルエンザが持ち込まれた場合、瞬く間に感染が拡大し、医療サービスや社会機能に甚大な被害が生じるおそれがあります。
 感染拡大のスピードを抑え、社会に与える被害を最小化するためにも、早期からの封じ込め作戦が重要であります。  そこで伺いますが、都の健康危機管理の拠点である健康安全研究センターは、新型インフルエンザの発生をいち早く察知できる情報収集体制や検査体制などの機能の強化にどのように取り組んでいくのか、伺います。

〇安藤福祉保健局長
  健康安全研究センターでは、都内の保健所や医療機関を結びます感染症情報ネットワークで発生情報をいち早く共有するとともに、アジア大都市ネットワークを活用いたしまして、海外情報の迅速な把握に努めております。  また、ウイルスを検出する精度の高い迅速遺伝子検査システムを全国に先駆けて独自に開発いたしましたほか、緊急時には二十四時間検査可能な体制を構築をしてございます。
 今後、センターを平成二十四年度までに、仮称でございますが、健康危機管理センターとして整備するとともに、救急搬送患者の症状から感染症の発生を探知する仕組みを構築するなど、情報収集機能を強化をいたしてまいります。
 さらに、検査設備も増強し、感染症危機管理の拠点としての機能を一層充実してまいります。

〇髙橋かずみ委員
  また、医療体制の確保も重要課題であります。
 患者が発生した場合、調査や治療に当たる保健所職員や医療従事者などは、多くの患者と接触し、感染の危険にさらされます。このため、関係者の感染防護策が非常に重要になってきます。
 そこで、流行が起こったときに、感染を防ぐための防護服などの備えは十分なのかどうか、伺います。

〇安藤福祉保健局長
  お話のように、治療や感染拡大防止の最前線に立ちます医療従事者や保健所職員の感染予防のためには、マスクや手袋、フードつきガウン等の防護具を備蓄しておく必要がございます。
 このため、特に厳密な感染防護が求められます封じ込め期におきまして、保健所や感染症指定医療機関等が十分に機能を発揮できますよう、平成二十年度には約五十万着を購入し、翌年度以降も計画的に備蓄をしていく予定でございます。

〇髙橋かずみ委員
  さらに、今後は封じ込め期だけではなく、広範囲への爆発的な流行であるパンデミックに対しても、抜本的な強化が必要であります。
 そこで、新型インフルエンザ対策を法定計画である感染症予防計画にきちんと位置づけ、都を挙げて対策に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。

〇安藤福祉保健局長
  法定計画であります感染症予防計画に新型インフルエンザ対策を位置づけますことによりまして、都の方針を明確に示し、都民や医療機関及び区市町村などの関係機関が一体となりまして、対策を強力に推進していくことは、極めて重要であると考えております。
 このため、昨年十二月に感染症予防医療対策審議会からいただきました答申などを踏まえまして、新型インフルエンザの早期発見、検査、防疫、医療体制整備等を、本年度中に改定する感染症予防計画に位置づけてまいります。
 今後、この新たな計画に基づきまして、区市町村等関係機関との緊密な連携のもとに、総合的な対策を展開をしてまいります。

〇髙橋かずみ委員
  ぜひ、総合的な観点から対策を着実かつ迅速に進めていただきたいと思います。
 次に、肝炎対策について伺います。
 昨今のウイルス肝炎治療の進歩を踏まえ、これまで我が党はウイルス肝炎の医療費助成について、通院医療も早急に対象とするべきと主張してきました。
 我が党の提案を受け、都は国に先駆け、昨年十月から通院治療も対象とした、C型肝炎インターフェロン治療の助成制度を創設したところであります。
 一方、国は、ウイルス肝炎訴訟の動向も踏まえて、来年度から医療費助成制度を創設すると聞いております。
 そこで、都制度と国制度の主な違いについて、また、今回創設する国制度に対して、都としてどのように対応しようとしているのか、伺います。

〇安藤福祉保健局長
  今回創設されます国の制度は、肝炎のインターフェロン治療に対しまして、一年間を限度として医療費を助成するものでありまして、先行実施をしております都制度と、基本的に同じ仕組みでございます。
 国と都の制度の主な違いでございますが、国制度では、C型肝炎に加えてB型肝炎も助成対象としております。
 また、患者自己負担につきましては、都は住民税非課税世帯の方は負担がございません。それ以外は月額三万五千四百円でございますが、これに対しまして国制度では、所得の状況に応じて最低でも一万円、さらに三万円、五万円の三段階に区分して自己負担を求めております。
 都としては、これまでの都制度を踏まえながら、本年四月から、基本的に国に準拠した制度に移行することを検討しているところでございます。

〇髙橋かずみ委員
  国制度では、住民税非課税世帯も月額一万円の負担があるようでありますが、これまでの都の制度と同様に、自己負担なしに、ぜひともすべきであります。
 また、こうした方への配慮とあわせて、既に医療費助成を受けている方に不利益が生じないように、経過措置等講じるべきと考えますが、所見を伺います。

〇安藤福祉保健局長
  ウイルス肝炎の早期治療を促進をするためには、医療費の患者自己負担の軽減を図ることは重要であるというふうに考えてございます。
 新たな制度におきましても、B型肝炎も対象とするとともに、住民税非課税世帯の方について自己負担なしとするほか、既に医療費助成を受けている方に対しましては、引き続き現行制度での助成を受けられるよう経過措置を設けるなど、適切に対応していきたいと考えております。

〇髙橋かずみ委員
  次に、食の安全について伺います。
 都は、食品の原料原産地の表示に関する我が党の代表質問において、表示のあり方について、関係各局に推進調整会議で検討を進めていくことを明らかにしました。都民の不安を払拭するためには、消費者が知りたい情報を入手できることが必要であります。
 一方、加工食品の原材料の仕入れ先は、季節や相場価格によって常に変動するといった現実があります。都は、こうした現実を踏まえ、どのように対応するのか伺います。

〇安藤福祉保健局長
  加工食品の製造に当たりましては、原材料に多様な食材が使用されておりまして、また、その仕入れ先の変動も大きいなどの実態がございます。一方で、食品の原料の原産地についての都民の関心も、高いものがございます。  こうしたことから、現在、関係各局による検討会議におきまして、対象とする食品の範囲や表示の手法などの課題について、検討してございます。
 今後とも、関係者の声を幅広く聞きながら、鋭意検討を進めてまいります。

〇髙橋かずみ委員
  より多くの情報を知りたいという消費者の立場や、中小事業者の実情など、関係者の声を幅広く聞いて、都民の食の安全・安心を確保するため、実現可能な仕組みとしていただくよう、重ねて要望しておきます。  次に、快適な都市環境についてお尋ねいたします。
 良好な地球環境を次の世代へと引き継いでいくために、温暖化対策の取り組みは必然であります。同時に、温暖化対策の取り組みを進めることにより、都市の活力をさらに高めるという視点も重要であります。
 都は、二〇二〇年までに、二〇〇〇年比で二五%削減のCO2排出削減目標を掲げており、この達成に向けては、業務、産業、家庭、運輸の各部門で削減の努力をする必要がありますが、都市活動には部門により大きな違いがあるため、一律に二五%削減を求めるのは、必ずしも合理的ではありません。
 例えば、都心部でオフィスビルなどの大規模建築物の建設が続く一方で、産業部門では、工場や従業員の減少が続いております。家庭でもエアコンなど省エネ化が進む一方で、設置台数がふえているのもあります。
 こうした社会経済の変化、トレンドを見据え、東京の実情に沿った削減計画とすることが必要だと思います。
 都の環境基本計画改定に当たっての東京都環境審議会の議論の中でも、二五%削減という東京全体の目標に、業務部門は七%程度、家庭部門は二〇%程度、産業部門と運輸部門については、それぞれ四〇%程度と部門ごとの削減目標が目安として示されております。
 今後の部門別目標の検討に当たっては、東京の発展、都市の活力維持の証左ともいえる業務床の増などの要素が考慮されていくのか、伺います。

〇吉川環境局長
  CO2の大幅な削減を実現するためには、産業、業務、家庭、運輸のすべての部門でエネルギー消費を抑制していくことが不可欠であり、各部門ごとに、それぞれの特性を踏まえつつ、将来のCO2排出量の増減を推計した上で削減目標を設定し、施策を推進することが必要と認識しております。
 具体的には二〇二〇年に向けた産業構造の変化による事務所ビルなど業務床の増、世帯数の増加、自動車の燃費の改善や交通量の動向といった影響も見込みまして、東京の都市活力の維持とCO2の大幅な削減の両立を図ってまいります。

〇髙橋かずみ委員
  CO2の削減と成長との両立を可能とするシナリオを想定しているものと思いますが、それでも具体的に削減ということになれば、特に削減義務の対象となる大規模事業所からは懸念の声も出てきます。
 現在、都が検討している義務化の制度は、五年前から実施している都独自の地球温暖化対策計画書制度を見直し、強化するものであります。現行制度は、みずからのCO2排出量を把握し、削減計画を立てて公表するという自主的な取り組みに頼るもので、さらなる削減対策の必要性を考えると不十分であることも事実であります。
 現在でも約千三百の事業所が対象になっておりますが、我が党の代表質問でも要望したように、制度の強化に当たっては、今後の削減余地や課題について、これまで協力してきた都内の事業者の意見をよく聞きながら、実効性ある制度として構築していくべきと考えますが、所見を伺います。

〇吉川環境局長
  都は、平成十四年度から地球温暖化対策計画書制度を実施いたしまして、約千三百の大規模CO2排出事業所を対象に、みずからの排出量の把握や削減計画の策定、公表を求め、都といたしましてもその情報を蓄積してきております。
 新しい制度の検討に当たりましては、これらの実績を踏まえるとともに、さまざまな事業者団体やNPO等が一堂に会した意見交換会やパブリックコメントなどの意見を聞く機会を設けてまいりました。
 お話のとおり、制度対象となる事業所から、省エネへの取り組み状況や今後の可能性などについて引き続きご意見をお聞きし、実効性ある制度の構築を進めてまいります。

〇髙橋かずみ委員
  実情を踏まえた制度構築があって初めて、事業者もより積極的に取り組む意欲を持つことができるものと思います。
 事業者によっては、既にCO2削減の高い実績を上げているところもあると聞きます。都は、こうした積極的な事業者に対しては一律に削減義務を課すのではなく、一定の配慮を検討していると聞いておりますが、報道等では削減義務化だけが大きく取り上げられていることもあり、このことが事業者に十分伝わっていないのではないかという懸念もあります。義務の対象となる事業所への丁寧な説明を重ねて要望しておきます。
 ところで、二五%削減という目標は、削減義務化だけで実現できるものではありません。都は、全庁的横断組織によってカーボンマイナス東京十年プロジェクトを推進してきましたが、今回公表されたプロジェクトの施策化状況によりますと、事業数で九十八事業、平成二十年度予算案では二百三億円に上る対策が取りまとめられております。
 そこで、まだ制度化に向けて検討中の大規模事業所の削減義務化などを除き、今回のプロジェクトによる取り組みを二〇二〇年まで続けた場合、二五%削減目標のうち、どの程度達成できる見込みなのか、伺います。

〇吉川環境局長
  カーボンマイナス東京十年プロジェクトにより施策化した事業で、現在制度構築中でございます大規模事業所の削減義務化などを除きまして、太陽エネルギーの導入拡大や白熱球の一掃作戦など、試算が可能な取り組みについて見積もった場合、二〇二〇年までの削減量は目標の達成に必要な量のおおむね五割弱となる見込みでございます。
 二五%削減という目標を確実に達成するためにはさらに対策を重ねていくことが必要でございまして、全庁的横断組織を活用して検討を進めてまいります。

〇髙橋かずみ委員
 プロジェクト開始一年目の施策化で五割弱の目標達成を見込めるということはわかりました。しかし、残り五割について道筋をつけるには、今後相当な努力が必要ということであります。そのためには、CO2削減義務化を初めとした条例改正を検討中の事項に加え、対策や取り組みがおくれがちとなっていた中小企業や家庭部門における施策の充実を一層進めていかなければなりません。このことは、東京商工会議所からも同様の問題認識を聞いております。都が今後、実効性あるCO2削減対策を打ち出していくためには、今後も東商のように積極的に取り組む地域の事業者とも十分に連携し、地域や家庭での取り組みを強化していくべきであります。
 このように、温暖化対策は、社会全体で皆が取り組めるような仕組みをつくることが必要だと思いますが、改めてこの温暖化対策に取り組む知事の姿勢を伺います。

〇石原知事
  地球温暖化の進行によります破局的事態の到来を回避するためには、CO2を直ちにかなり劇的に削減していく必要がございます。多くの専門の学者が、このままでいくと、下手をすると、五年以内にポイント・オブ・ノーリターンを過ぎちゃうということをいっておりますが、CO2は、東京の都市活動のあらゆる側面に起因して発生しておりまして、つまりこれは、電気を使っているということです。その大幅な削減のためには、都民や事業者の意識の変革や具体的な行動が必要であります。
 こうした観点から、社会全体で積極的に温暖化防止に取り組めるよう、大規模事業所に対し、CO2削減の義務化を進めるとともに、環境学習の取り組み強化を初めとするライフスタイルの転換促進や太陽エネルギーの飛躍的な利用拡大、中小企業の省エネ支援など、さまざまな施策を複合的に展開して、二〇二〇年までにCO2の排出量の二五%削減を着実に実施していきたいと思っております。
 髙橋かずみさん、ご経験あるかどうかわかりませんが、私は子どものころ、戦争中、灯火管制されましたが、要するに、命を守るために、皆、灯を消したわけですから。電気をね。同じことだと思います。これからやっぱり企業も個人も、自分自身の生命を守るために本気で電気を節約しませんと、とんでもないことになると。それはもう着々と近づいてくるという実感が強うございます。

〇髙橋かずみ委員
  次に、土壌汚染対策について伺います。
 土壌汚染対策は、都民の健康と安全の確保や都市づくりの上でも極めて重要であると考えております。そのため、土壌汚染対策の促進には、環境保全の観点はもとより、都市再生や地域の活性化の観点を含めた仕組みづくりが必要だとかねがね我が党は主張してきました。
 都が設置した土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会では、このような観点から議論されてきており、先ごろ報告案が出されたと仄聞しておりますが、その取りまとめの内容はどのようなものなのか、伺います。

〇吉川環境局長
  土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会は、土壌汚染対策を促進するため、環境保全の観点からだけでなく、都市の健全な発展や地域の活性化等の幅広い視点から検討を行ってまいりました。先日、本年度第三回目の検討会が開催され、年度末に取りまとめる予定の報告案について活発な議論がなされました。
 報告案の主な内容は、工場廃止時ではなく、操業中からの調査、対策の促進や土壌汚染の状況に応じた合理的、かつ適切な対策の推進、また搬出土壌の適正処理と将来的な域内処理のルール化等が挙げられております。

〇髙橋かずみ委員
  報告案は、現実的な視点を踏まえた的確なものであることがわかりました。
 さて、現在、都内で掘削除去された汚染土壌の大半は、都外の浄化施設等に運ばれ、処理されていると聞いております。土壌汚染対策は、環境先進都市づくりという観点からも、掘削除去に偏らない合理的な対策の選択や、環境負荷の少ない汚染土壌の処理の仕組みづくりを進めることが極めて重要であります。
 具体的には、現場での対策から搬出土壌の輸送処理までの対策全般を通じて、CO2削減等の環境負荷の低減に配慮することが必要であります。
 このような観点からすれば、将来的には都内に処理施設の設置を検討することが必要ではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

〇吉川環境局長
  本検討委員会では、搬出する汚染土壌を適切かつ環境負荷をかけずに処理するためには、将来的に都道府県ごとに処理施設を整備するなど、域内で処理する方策も含め検討すべきとの意見が出されております。
 都といたしましては、検討委員会からの最終報告を踏まえ、今後検討してまいります。

〇髙橋かずみ委員
  次に、水道事業について伺います。
 我が党は、安全でおいしい水への取り組みの推進を機会あるごとに主張してきました。高度浄水処理の導入を初め、おいしい水への取り組みは徐々に実を結びつつあり、知事も東京の水のおいしさを積極的にPRされております。
 その東京の給水件数は六百五十万件を超えていますが、水道メーターの検針は一軒一軒訪問して行われるため、業務量は膨大であり、多くの人手を要しております。この膨大な業務量に対応するため、水道局はこれまでどのような取り組みを行ってきたのか、伺います。

〇東岡水道局長
  水道局では、以前、数百名にも及ぶ多くの職員が検針業務に従事しておりましたが、経営効率化の観点から、民間委託化を進め、大幅な職員定数の削減を行いました。
 料金収納など徴収業務全般にわたりオンラインシステム化するとともに、委託化した検針業務についても、現地でメーターの指針を打ち込むだけで使用水量や料金が計算される検針用のハンディターミナルを導入するなど、さまざまな効率化に向けた努力を行ってまいりました。

〇髙橋かずみ委員
  委託化を進めてきたことは評価できます。しかし、民間委託をしても、多くの人手を要していることに変わりはありません。検針を自動化できれば、効率的に業務を行うことができるようになるのではないでしょうか。
 そこで、検針の自動化の検討状況について伺います。

〇東岡水道局長
  自動検針につきましては、これまでも実地のフィールド試験を行うなど、調査を進めてきております。これまでの調査、実験におきましては、コスト面では、機器の導入などに必要な経費は現行の人手検針の諸経費を下回ることができないこと、技術面では、データ通信の安定性確保などの課題があります。

〇髙橋かずみ委員
  都内にはオフィスビルや一戸建てなど、さまざまな建物があり、電波が届きにくい場所もあるでしょうから、一斉に導入することが困難なことは理解できます。しかし、導入しやすい部分から順次導入していくという柔軟な発想も必要なのではないでしょうか。
 例えば、集中的に検針し、より効率的に行うことも可能になると思うのであります。見解を伺います。

〇東岡水道局長
  高層マンションなどの建設時にあらかじめデータ通信用の配線工事を行えば、一カ所で集中的に検針することが可能となり、より効率的な検針ができるものと考えられます。
 さらに、検針が困難な繁華街などでは、検針員が道路上から、無線を活用して検針データを取り込むモバイル型の検針システムを導入することができれば、多くの検針業務のより迅速な処理が可能になると考えます。

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